外壁塗装だけでは雨漏りが直らない3つの理由【契約前にまず確認】

この記事でわかるポイント!
  • 外壁塗装だけでは雨漏りを直せない理由
  • 雨漏りを直すための正しい対処

『外壁塗装をすれば、雨漏りは直る』と聞いたことはありませんか?もしかしたら、リフォーム会社などへ雨漏り相談をした際に、窓口で言われたことがあるかも知れません。

こういった話を受けて「雨漏りが直るんだったらお願いしようかな」と、そのまま契約してしまう方も少なくはありません。確かに、雨漏りが直るうえに、家の外観も綺麗になって、いいことづくめな気がしますよね!

ただ…1つだけ、重要な事実をお伝えさせてください。

外壁塗装だけで雨漏りが直るとは限りませんので、注意が必要です。

もちろん外壁塗装に意味がないわけではなく、それ自体を否定するわけではありません。しかし、高い費用を払ったにも関わらず「雨漏りが全然直っていない…」とお困りの方が多いのも、また事実。

この記事では『外壁塗装だけで雨漏りが直らない理由』についてまとめました。もしも雨漏り修理という視点で外壁塗装をご検討されているのなら、業者さんへの返事は一旦置いて、まずは冷静にこの記事をご一読ください。

目次

そもそも外壁塗装ってどんなもの?

外壁塗装は、外見的な意味はもちろん『家屋を守るため』にも大きな意味合いがあります。

外壁塗装を行うことで、外壁を紫外線や雨から守ることができます。これにより、家屋の劣化を防ぐ効果があるんですよ。

結果、家屋の美観が保たれる&雨水の侵入を防ぐ役割を果たすことができるんです。

外壁塗装には寿命がある…

しかし、使用する塗料には耐用年数(寿命)があり、一般的に使われているシリコン系塗料であれば『8~15年』程が目安。

こういった時期を境に経年劣化によって塗装剥がれ等が起き、防水性は失われていきます。

このような状態は例えれば、日焼け止めを塗らずに炎天下の中にお肌を晒してるようなもの。

防水性を失った外壁は、紫外線や雨風でどんどん劣化が進み、やがてひび割れなどの破損が発生。その結果、雨漏りが発生してしまう事態につながる、というわけです。

ですから『雨漏り対策として、外壁塗装を行うこと』自体は、非常に有効な手段の1つとなります。

知っておきたい『一次防水』と『二次防水』の違い

家屋は本来、外壁塗装を含めた様々な防水施工がされています。

そしてその防水施工は、普段意識することはあまりありませんが

  • 一次防水
  • 二次防水

に分かれているんです。

家屋の一次防水

外壁材や屋根など、家屋の外装部分のことであり、外壁塗装もこれに含まれます。

一次防水は最前線で紫外線や雨風を防ぐ役割を果たしており、これのおかげで雨が浸入しないようになっています。

だから外壁塗装は雨漏り対策としてとっても重要なんですね。

家屋の二次防水

外装部分の内側に入っている防水シートのこと(ルーフィングと呼ばれたりします)を指します。

普段直接見ることはないでしょうが、じつは家の防水性の要とも言える役割。

ですので、仮に一次防水である外壁材を雨水が突破しても、二次防水の防水シートで雨を防いでくれる、二段構えとなっているんです。

外壁塗装”だけ”では、雨漏りが直らない理由

ここまで読んでいれば、雨漏り対策にとって『外壁塗装』という行為が非常に重要な施策であることが分かると思います。

なのに、なぜ『外壁塗装だけで雨漏りを直すことはできない』と発言するのか…。それには、3つの理由があります。

外壁塗装で雨漏りが直らない3つの理由
  1. 外壁塗装は『一次防水効果』しかないから
  2. 外壁が雨漏りの原因とは限らないから
  3. 雨漏りで受けたダメージが残ってしまうから

理由1.外壁塗装は『一次防水効果』しかないから

先ほどご説明した通り、家屋の防水は2段構えであり、外壁塗装はあくまでも『一次防水』です。

防水対策は2段構えなので、本来であれば、一次防水が突破されただけでは、まだ雨は侵入できません。しかし、実際に雨漏りが起きている…ということは、二次防水である防水シートさえも突破されているということです。

つまり雨漏りの原因としては外壁塗装だけではなく、二次防水である防水シートにもなんらかの破損が起きている可能性が、極めて高くなります。

確かに外壁塗装をすれば、一次防水は強固なものとなり、一時的に雨水の侵入を防ぐことができるようになるかも知れません…。

ですが、内側の『二次防水』の問題がそのまま残ってしまっているため、その防水力は大きく下がっている状態。

結局、従来の『2段構えの防水対策』が施されていない状態ですから、またすぐに雨漏りする…という事態に繋がってしまうわけです。

これでは、雨漏りを『直した』とは言えませんよね…。

理由2.外壁が雨漏りの原因とは限らないから

雨漏りが発生してしまう箇所はじつに様々で、厄介なことに『目に見える雨漏り被害箇所が、雨漏りの原因箇所とは限らない』んです。

たとえば、壁が濡れていたり、壁際に水が溜まっていたりしたら、一見すると外壁に原因があると思いますよね。

ところが、しっかりと調査をすると『じつは屋根からの雨漏りが原因だった』なんてケースが、ザラにあるんです。

もしも『壁が濡れているから、原因は壁にある』と判断し、外壁塗装を行なっていたら…?雨漏りの原因は『屋根』ですから、壁を直しても雨漏りは止まらないことになります。

これでは、はっきり言って『お金の無駄』ですよね(確かに、外観は綺麗になりますが…)。

あらゆる雨漏りが『壁からの雨漏り』に見える可能性あり

たとえば

  • 屋根
  • バルコニー

などなど、雨漏りは様々な箇所で発生します。そして、これらの雨漏りすべてが『壁からの雨漏りに見えることがある』んですよ。

雨水が家屋に侵入した際、その水はまっすぐ流れていくとは限りません。家屋内の木材を伝って流れていくこともあれば、屋根裏に水が溜まってしまい、様々な箇所に染み出すことも…。

これだけ様々な原因箇所があると…雨漏りの専門家でもないと、本当に雨水が侵入している箇所はどこなのか?を見分けるのは至難の技です(ので、私たちのところには、工務店やリフォーム会社さんからも『雨漏りを止めて欲しいのですが…』と相談があったりします)。

理由3.雨漏りで受けたダメージが残ってしまうから

これは大きな理由ですが、そもそも防水は『水を防ぐ』ことが仕事です。

つまり、新しく雨水の侵入を防ぐことはできても、雨水の侵入によって受けた家屋のダメージを直す効果はありません。

たとえば、雨漏りがまったく起きていない状態で『予防』のために外壁塗装を行うなら…その効果は非常に高いでしょう。

しかし、あくまでも防水は防水。

外壁塗装で防水性を回復し、維持することはできますが…防水では破損箇所の修復など、雨漏りの根本原因を『直す』ことにはならないんです。

雨ガッパが破損して、すでに身体がビショビショに濡れているのに…新しい雨ガッパを身につけても、身体は濡れたままですよね(汗)。

雨漏り対策として外壁塗装するなら、しっかり確認しておきたいこと

ここまででご説明しているとおり『外壁塗装だけで雨漏りを直す』というのは、基本的に不可能です。

では『外壁塗装で雨漏りが直ります』と言っている業者は、すべて嘘をついているのか…というと、そうとも限りません。

原因が壁にあり、二次防水への被害がまだほとんど確認できず、一次防水が何かしらの理由で大きく劣化していた…という状態であれば、確かに外壁塗装で雨漏り対策、も間違いではありませんよね。

そこで、もしも業者さんに『雨漏り修理として、外壁塗装をオススメされている』のであれば、ちゃんと以下の点を確認してみましょう。

必ず確認しておきたい点
  • ちゃんと、雨漏り原因は調査できているのか?
  • 家屋へのダメージは問題ないのか?
  • 作業内容を詳しく説明してもらえるのか?

「しっかりと調査をし、雨漏りの原因を特定したうえで、こういった作業を行います」といった具体的な説明があるのなら、その業者さんは信頼できるかもしれません。

(実際に、私たちのところにも『雨漏り原因の調査をお願いしたい』と、外壁塗装業者さんから相談をいただくこともあります。こういった業者は、しっかり調査したうえで、外壁塗装で対応可能かどうかを判断していると言えます)

逆に、こういった点をろくに答えることもできない業者や、「外壁塗装すれば治る!」と言い切って推してくる業者は、はっきり言って危険です。

『費用感』もしっかり比較して検討しよう!

ここを忘れてはいけないのですが…雨漏り修理と『外壁塗装』では、そもそもの費用が大きく違います。そもそも、行う作業が全然違いますからね。

(あくまで相場・目安ですが)外壁塗装は、一般的な戸建て住宅なら約60万円〜ほどの費用感となります。

依頼する業者さんや、実際に使う塗料、家の広さによっても変わるので、場合によっては100万円を軽く超えることもあります。なかなか「雨漏りしている箇所だけ塗装して」も難しいですしね…。

対して、雨漏り修理の場合は(こちらももちろん状況により変動しますが)基本的にピンポイントに『雨漏り原因となっている箇所のみ』に範囲を絞って対応するので、だいたい30万円前後の費用感です(被害が特に小さい場合は10万円以下、というケースもあります)。

ですので、単純に『雨漏りに対応するために、外壁塗装を実施する』という行為は、金額面で見ると大きく損をする可能性があることは、しっかり頭に入れておいてくださいね。

外壁塗装は、雨漏り『予防』と考えるのが正しい

外壁塗装だけで雨漏りは直らないと言いましたが、外壁塗装は防水性の維持など、外壁の保護には欠かせません。

ですから、また雨漏りが発生することを事前に防ぐ意味でも『外壁塗装自体は、非常に効果的な施策の1つ』なのは事実です。

しかし、あくまでも外壁塗装は雨漏り『予防』と考えた方がいいでしょう。理由は先に挙げたとおり、一次防水としての効果しかなく、すでに雨漏りで受けたダメージを直すことはできないから、ですね。

つまり、すでに雨漏りが起きている状態なのであれば、まずはしっかりと雨漏り原因を調査し、必要であれば雨漏り原因をしっかりと処置したうえで、さらに外壁塗装をして再発をがっちり防ぐ!という流れがベストです。

外壁塗装だけでは雨漏りが直せない理由:まとめ

では最後に、ここまでの内容をまとめますね。

外壁塗装だけで雨漏りが直らない理由
  • 外壁塗装は『一次防水効果』しかない
  • 外壁が雨漏りの原因とは限らない
  • 雨漏りで受けたダメージが残ってしまう

家屋の防水は一次防水と二次防水に分かれ、外壁塗装は一次防水に含まれる。

費用感の違いを理解して検討する!
  • (目安として)外壁塗装は、一般的な戸建て住宅なら約60万円〜
  • (目安として)雨漏り修理は、一般的な対応で約30万円〜
  • 単純に『雨漏りに対応するため』の外壁塗装は、大きく損をする恐れあり!
雨漏り対応の理想形
  • まずはしっかり雨漏り原因を調査
  • 雨漏り原因をしっかりと処置
  • 雨漏り『予防』として外壁塗装を施す

雨漏りの発生原因は多岐に渡るもの。壁から雨漏り=外壁からという単純な物ではありません。

しっかりと直すなら、まずはしっかりと原因を特定することが大切。

そして、ちゃんと『外壁塗装が持つ効果』を理解したうえで、必要と思えば業者さんにお願いするといいですね!

外壁塗装が必要かどうかお困りなら…

もし良ければ、一度私たちにご相談してみて頂けませんか?

というのも、私たちの会社も外壁塗装の業者さんとは提携をしており、必要に応じてお互いに作業を協力しあっているんですよ。

(外壁塗装業者さんから『雨漏り調査・対応』の要請を受けることもあれば、私たちの方から『雨漏り予防対策として、外壁塗装をお願いする』ケースもあります)

ですから、私たちであれば、家屋の状況&あなたのご要望に合わせて、雨漏りの対応はもちろん外壁塗装までまとめてご対応させていただくことが可能です!

もちろん、ご要望なく勝手に外壁塗装までして、高額な費用を請求する…なんてことはしませんので、ご安心ください(笑)。

もちろん相談~調査、お見積りまで全て無料で行っていますので、お気軽にお声がけいただければと思います!

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