『雨漏りといえば屋根から』というのが一般的なイメージでしょう。実際に屋根は雨漏りと切っても切れない箇所で、非常に重要な役割となっています。
しかし一口に屋根いっても、じつは部位によって細かく名前が分かれており、それぞれに役割があるんです。
屋根の中の一部で、『谷樋(たにどい)』という箇所を聞いたことはあるでしょうか?この部位は、全ての屋根に設置されているわけではない、ちょっと変わった部分。じつは、谷樋があるかないかでは、屋根全体の雨漏りリスクが大きく異なるのです(実際、屋根からの雨漏りを調査した結果、この谷樋を原因としているケースは多くあります)。
それだけ雨漏りのリスクが高い谷樋ではありますが、逆を言えばこの谷樋を知っているかいないかで、リスクコントロールができるとも言えるかも知れません。
というわけで、この記事では『谷樋からの雨漏り』についてまとめてみました。
谷樋とは?その役割
そもそも谷樋って何?という方も多いでしょう。最初に少しご説明したように、あまり屋根の『部位』まで意識している方は少ないですからね(笑)。
谷樋とは、屋根における『樋(とい)』の一種(屋根に落ちる雨水を集めて、地面に排水する仕組み。軒についている雨樋と似た様な役割ですね)。
樋の中でも、『屋根における谷状の部分に設置している樋』を谷樋と呼びます。
雨水が適切に排水されないと、屋根に雨水が溜まってしまうことになります。この対策を担うのが樋、かなり重要な役割を担っているわけですね。
すべての家屋に谷樋があるわけではない
ただしこの谷樋、すべての屋根に存在しているというわけではありません。谷樋がある屋根というのは複合した形状の屋根に限定されます。
『複合した屋根』と言われてもピンとこないかもしれませんね。たとえば、屋根の形が一直線の形状ではなく、L字型など、複数の形状を接合した屋根がそれにあたります。
この接合した継ぎ目部分が谷状になることにより、谷樋が設置されるんですよ。
逆に複合していないシンプルな形状の屋根は、谷状に重なり合う箇所がないので、そもそも谷樋がないというわけです。
谷樋の雨漏りリスクが高い理由
谷樋部分は屋根材同士の継ぎ目、つまり『隙間ができやすい』箇所となります。隙間は、家屋にとって雨漏りの弱点…つまり、谷樋とは『雨漏りの弱点を作り出す部分』そのものなんですね。
もちろん、谷樋自体は隙間を生み出すことがない様にしっかり施工はされて作られています。ので普段は問題ないのですが、何かしらのトラブルが起きてしまうと一気に雨水の浸入リスクが上がってしまいます。
「そんな簡単にトラブルなんて起きないでしょ?」と思うかも知れませんが、谷樋は『雨水が集約してくる箇所』。そのため雨が長い時間当たり続けていまうので、残念ながら『トラブルが起きやすい箇所』でもあるんですよね(汗)。
谷樋で起きやすい2つのトラブル
そんな『雨漏りの弱点箇所』であり『トラブルの起きやすい箇所』でもある谷樋ですが、その中でもよく起きやすい(雨漏りの原因として見つかりやすい)2つのトラブルがあります。
- 経年劣化
- 機能低下
トラブル1.経年劣化
谷樋によく用いられる材質はガルバリウムという金属を用いた板金で、その耐用年数は20~30年が目処。耐用年数目処に耐用年数付近〜超えてしまったガルバニウムは強度が脆く、サビや歪み、穴あきといったトラブルにつながっていきます。
しかも…谷樋は『雨を集約する』箇所ですから、その他部位に比べて雨水にさらされている時間が多く、そのぶん劣化も早くなってしまう傾向にあるんですよね。結果的に、本来の耐用年数より早く限界が訪れる(経年劣化が早まる)可能性が高くなってしまいます。
谷樋は『雨水を集約する様に』作っている部分ですから、その部分に経年劣化による穴や歪み(による隙間)があったら…雨漏りしてもおかしくありませんよね(汗)。
トラブル2.機能低下
谷樋は、時折
- ゴミ詰まり
- 大量の積雪
- 劣化による谷樋の歪み
といった理由で、スムーズな排水が行われなくなることがあります。
通常はスムーズに排水されるはずの雨水がうまく流れていかないことにより雨水が滞留、結果として従来より長く雨水にさらされる箇所が出てきてしまうわけですね。
本来なら雨水が入り込んでこない様な僅かな隙間でも、長く雨水に晒されることで、わずかずつ雨水が入り込んでしまうような事態に繋がってしまいます。
また、排水がうまく行われない状態で強い雨が降ったり、雨の日が続いたりすると…谷樋から雨水が溢れ出してしまうことがあります(これをオーバーフローといいます)。
この状態が発生すると、溢れ出した雨水によって『従来はそんなに雨水に長くさらされ続けることのない箇所』まで雨水に接する時間が長くなり、経年劣化が早まる・僅かな隙間から雨水が侵入する…といった事態にまで陥ってしまうわけです。
谷樋トラブルからの雨漏り対処は自分で可能?
残念ながら、谷樋のトラブルはセルフチェックによる早期発見やご自身での対処が難しい箇所となってきます。その理由として、大きく3つ。
- 安全面の危険性が高い
- 目視で確認しづらいことが多い
- 修理に専門性が必要
理由その1.安全面の危険性が高い
谷樋は『屋根の部位』ですから、そのチェックにも対処にも『高所作業が伴う可能性』があります。
正直、高所作業は私たち専門家でも危険な作業です(屋根上などの高所作業は、2人1組で実施が基本ですから)。屋根トラブルをご自身で直そうとしてお怪我をされるケースは、決して少なくないんですよ。
そもそも『危険』、これが理由の1つです。
理由その2.目視で確認しづらいことが多い
「場所が高所でも、チェックくらいなら登らなくてもできるよね?」と思ったかも知れません。確かに、屋根トラブルは地上から双眼鏡やスマートフォンのカメラズームなどを用いてチェックすることが可能です。
ですが…残念ながら、谷樋は『遠方から確認しにくい箇所』の代表例なんです(汗)。
というのも、谷樋はその名のとおり谷状であり、隠れるように設置されているケースが多いのです。そのため地上から確認し難く、直接目視で確認しないとトラブル検知が難しいんですね。
理由その3.修理に専門性が必要
じつは、屋根には『意図的に作られている隙間』というものがあります。これはトラブルや施工不良ではなく、蒸気を逃すためだったり、雨水を誘導するための役割だったり…と、役割を持って『あえて作っている隙間』ですね。
これが曲者でして、専門的な知識を持っていない人では、いざ屋根を確認したとしても
- 意図的に用意された隙間か?
- 本来は不要な、トラブルで発生した隙間か?
の判断がつかないのです。もしも間違って『意図的に用意された隙間』を埋めてしまった場合、その影響で他箇所から雨漏りその他トラブルが発生したり…と、被害が拡大する恐れがあります。
ですから、判断も対処も難しい…という評価になるんですね。
ご自身で行えるセルフチェックはないのか?
と思ったかも知れません。そこで、ご自身でも行える『2つのセルフチェック』をお伝えしておきます。といっても、簡単なことしかできないのですが…。
- サビが発生していないか確認
- 耐用年数(建設・リフォームからの経過年数)を意識
隙間が目視できたとしても、その隙間が『意図的なものか、トラブルによるものか』の確認は難しいもの。ですが『意図的に発生させたサビ』というものは当然ながら存在しません。
ので(確認し難い部位ではありますが)サビが発生していないかどうか、はチェックしておくといいでしょう。
また、直接的に確認できなかったとしても、そもそも『谷樋によく用いられる材質は、耐用年数は20~30年が目処』ですので…築年数(や屋根リフォームからの経過年数)が耐用年数付近にあるかどうかは意識しておくといいでしょう。
屋根に谷樋がある住宅は雨漏りリスクにご用心!:まとめ
では、ここまでの内容をまとめていきましょう。
谷樋とは…⬇︎
- 屋根に設置される樋(とい)の一種。雨水を集めて、地面に排水する設備
- 全ての屋根にあるわけではなく、複合した形状の屋根に存在する
- 屋根の中でも雨漏りリスクが高い箇所である
谷樋の雨漏りリスクが高い理由は…⬇
- 屋根材の繋ぎ目であり、隙間ができやすい部位だから
- 屋根にとって繋ぎ目は『雨漏りの弱点そのもの』
谷樋でよく見られる2大トラブルは…⬇︎
- 経年劣化
- 機能低下
谷樋は屋根において非常に重要な役割を担っていますが、メンテナンスをしなければ雨漏りの危険性が非常に高い箇所でもあります。
特に築20年を迎えてくる住宅であれば耐用年数に近づいているはずなので、雨漏りが起こる前に事前に対処を検討してくださいね!
もしも屋根からの雨漏りが発生していたら…
ぜひ、私たち雨漏りの匠へお気軽にご相談ください!
今回ご紹介した『谷樋が原因での雨漏り』はもちろん、その他様々なケースの屋根雨漏りを25年以上に渡り調査・修理してきた実績があります。過去の雨漏り解決率は98%以上で、業界でも最高水準です!
ご相談から現地確認まで完全無料でご対応させていただいておりますので、まずはお気軽にご相談くださいね。
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