【スレート屋根特有】屋根塗装が”逆に雨漏り”を引き起こす謎を解説

住宅での厄介なトラブルである『雨漏り』を予防する方法の一つに『塗装』があります。

塗装は屋根や外壁などに使われている材質の防水性を維持するために必要不可欠であり、雨漏りを予防するという点において非常に効果的。

しかし、じつは…『スレート材を使った屋根』において、屋根塗装をすることにより『逆に雨漏りの原因になる』ことがあるんです(汗)。

最近ではDIYで業者ではなく自分で塗装をされる方もいらっしゃるため、特にこういったトラブルが増えているんですよ。

というわけでこの記事では、屋根塗装が逆にスレート屋根の雨漏りを引き起こす問題についてまとめてみました。

目次

【本題に入る前に…】スレート屋根の構造について

本題に入る前に、まずは改めてスレート屋根の構造を理解しておきましょう。

基本的な構造としては、上から順に『スレート材(屋根材)』→『防水シート』→『野地板(下地の板)』という三層構造が。

この構造自体はどの屋根も一緒なんですが、ポイントは最初のスレート材部分。

スレート屋根は一枚一枚の屋根材を重ね合わせて設置していきます。そのため、その重ねた部分には目には見えにくいですが、わずかな”隙間”が空いています。

隙間があるのって大丈夫なの?

雨漏りとは、家屋の隙間から侵入するもの…そのため『隙間がある』というのは心配に思われるかもしれませんが、この隙間、じつは雨漏りを防ぐうえで『必要不可欠な隙間』なんですよ。

というのも、基本的に屋根材の内側に雨水が入り込むのはいたって普通のことなんです。それでも通常雨漏りが起こらないのは

屋根材に雨水が入っても雨漏りしない理由
  • 防水シートが水を弾いてくれている
  • その弾いた水が屋根材の隙間から外に排出される

といった仕組みになってるからです。

先ほど、屋根材の隙間が必要不可欠と言ったのはまさにこれ。つまり、逆にこの隙間がなければ屋根に雨水が滞留し続け、雨漏りのリスクが高まってしまうんですね。

スレート屋根の塗装で逆に雨漏りが起こる理由

では、スレート屋根の構造を理解いただいたところで、本題に入っていきましょう。

屋根塗装によって逆に雨漏りが起きる理由…それは『塗装によって、必要不可欠な隙間を塞いでしまうから』です。

塗装によって屋根材の防水性は回復・維持されるのでいいんですが…必要な隙間まで塞いでしまうことにより、入り込んだ雨水の逃げ場はなくなり滞留。

雨水の滞留によって防水シートも長時間水に晒され劣化が激しくなり、結果、雨漏りに繋がってしまうというわけです。

屋根塗装での雨漏りを防ぐには

塗装によるスレート屋根の雨漏りリスクを防ぐためには、『隙間の保持』が大切です。

そのための作業が『縁切り』(えんきり)呼ばれる作業。これは塗装で塞いでしまった隙間をカッターなどの工具で切ることにより、隙間を空けるという作業になります。この縁切りをしっかり行うことによって、屋根塗装による雨漏りを防ぐことが可能です。

(最近では『タスペーサー』という緩衝材を挟むことで、隙間を維持することもできるようになっています)。

スレート屋根塗装のDIYは手間&リスクの観点でオススメできません

極端な言い方をすれば、『しっかりと縁切りすれば、自分で塗装しちゃっても大丈夫』と言えるのですが…現実論として、あまりDIYでのスレート屋根塗装はオススメできません(汗)。

その理由は2つあります。

理由1. 縁切り対応は手間が多く、必要性判断も難しい

スレート屋根は、大量の屋根材を組み合わせる形で出来上がっています。ご自身で塗装した後に、その隙間1つひとつを縁切りしていく…はっきり言って、非常に手間がかかります(汗)。

専門家であれば『必要な部分に対する縁切りの実施』にて、必要最小限の作業量で済むかも知れませんが…素人目には、どの箇所を、どれだけ対応すればいいかは判断できません。

必要かどうかの判断が聞かない状態で、非常に手間がかかる作業を実施するのは…正直、厳しいですよね。

理由2. 失敗における雨漏りリスクが大きい

実際のところ、この理由がかなり大きいです。

上記で挙げているような『縁切り』と呼ばれる作業も、れっきとした『職人作業』の1つ。作業量の多さも相まって、決して簡単な作業ではありません。

このような職人作業を自分で行ってミスをしたことで『本来なら発生しなかった雨漏りを誘発する』という事態になると、正直目も当てられませんよね(汗)。

このような状態に陥った場合、屋根の塗装からやり直すだけでなく、場合によっては雨水滞留によって劣化した防水シートや屋根材の処理/交換などにまで発展してしまう可能性もあります。

塗装ミスによるスレート屋根の雨漏り原因調査は少々難易度が高くなります…

雨漏りというのは、発生原因をしっかり特定しなければ直すことができないんですが…素人作業によって塗装されたスレート屋根の雨漏り原因調査は、地味に難易度が高いのです(汗)。

大量にある屋根材の、どの隙間が詰まってしまったことによって、雨水の排出がうまくいっていないのか…これを、調査を軸に発見していかないといけないためです。

『雨水がたまった部分』はすぐに確認できても、どの隙間処理が失敗したことで、雨水が滞留しやすくなってしまったのか…。これを見つけるのは、かなり難航します。

こういった理由から、スレート屋根塗装をDIYするのはオススメできないんです。

業者に依頼したにも関わらず、雨漏りトラブルが起きることも!?

DIYでの屋根塗装はオススメできないとなれば、業者に依頼するのが確実ではあるんですが…じつはそれでも雨漏りトラブルが発生することもあります(汗)。

主な理由としては2つ。

理由1. 業者が縁切りを省いてしまうことがあるから

「そんなバカな…」と思うかもしれませんが、じつはこういったケースも少なくありません。

なぜ、プロである業者さんの作業で、そのようなことが起きるのか。それは、この『縁切り』という作業が

縁切り作業に対するリスク
  • 仕上げた屋根塗装を傷つけ、汚してしまうことリスクがある
  • 何百枚もの屋根材を手作業で施工するので、手間も時間もかかる
  • 時間と手間がかかる=お客様にとってもコストが上がることにつながる

業者さんにとっても、こういったリスクがあるからなんです。

さらには…してもしなくても『見た目の変化があまりない』こともあり、縁切り自体を省いてしまうような質の悪い業者も存在します。

理由2. そもそも雨漏りに対する知見が不足している場合があるから

基本的に屋根塗装を行う業者さんは『塗装業者』であって、雨漏りの専門家ではありません。

もちろん、雨漏りの知識をしっかり持った塗装業者さんもいますが…中には雨漏りに対しての知見が不足している業者さんもいるんです。

そのため、塗装はしっかり行っても、雨漏りのリスクのことまでは気にかけることができない、ということも珍しくありません。

このような理由から、たとえ業者さんであっても、こういった雨漏りトラブルが起こることがあるんです。

業者に塗装依頼をしたにも関わらず、雨漏りしてしまった場合は…

この場合は、まず『塗装を依頼した業者』に連絡してみましょう。

場合によっては業者側の瑕疵として、塗装作業のやり直しや雨漏り修理作業対応を無償で請求することが可能です。

ただ…厄介なのが『業者にそもそも雨漏り知識が無かった』というケース。この場合、そもそも『その塗装業者でトラブル解決ができない』恐れがあります(汗)。

そういった場合は、気兼ねなく私たちのような『雨漏り修理の専門業者』にご相談ください。無料で現地確認まで実施させていただきます!

屋根塗装が”逆に雨漏り”を引き起こす謎を解説.まとめ

では最後に今回の記事の内容をまとめていきますね!

スレート屋根の構造は…⬇︎

  • 屋根材同士の間に隙間があり、そこから雨水が排出される
  • それにより雨漏りリスクを抑えている
  • つまり、『必要な隙間』によって、適切に雨漏りを防いでいる!

スレート屋根の塗装で逆に雨漏りが起こる理由は…⬇︎

  • 塗装によって隙間を塞いでしまうことがあるから
  • 防ぐためには縁切りという作業が必要

スレート屋根塗装のDIYはオススメできない理由…⬇︎

  • 縁切りは手間が多く、必要性の判断も難しいから
  • 失敗における雨漏りリスクが大きいから

業者でも屋根塗装での雨漏りが起きてしまうケース…⬇︎

  • 業者が何らかの理由で縁切りを省いてしまった
  • 業者に『雨漏りに対する知見』が不足していた

屋根塗装は雨漏りを予防する上で欠かすことのできない大事な作業。

しかし、ことスレート屋根においては、やり方を間違えると逆に雨漏りを引き起こしてしまいます。

せっかく対応したつもりが、逆に雨漏りを引き起こす引き金となったら…笑い話にもなりませんよね(汗)。もしも屋根塗装による雨漏り予防をお考えであれば、注意して実施するようにしてくださいね!

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