プレハブが雨漏りした時の対処法【チェックポイントは4つ】

この記事でわかるポイント!
  • プレハブと雨漏りの関係性
  • プレハブが雨漏りした時の対処法

仮設住宅から家の離れ、倉庫から事務所など、様々な用途で使われているプレハブ。一般的な住宅よりも手軽に、かつ価格も安いので非常に便利な建物なんですが…。

じつは、構造上『雨漏りしやすい』といったデメリットがあるんです。

プレハブは仕事場だったり、倉庫だったりと、比較的重要な物をしまっておくためのスペースとして使われることも多いため、万が一雨漏り被害が室内にまで及んだら、かなり深刻なダメージになる可能性もありますよね。

というわけでこの記事では、プレハブが雨漏りした時のチェックポイントや対処法をまとめておきました。

大きな被害を受けないためにも、ぜひ読んでみてください。

目次

雨漏りしやすいプレハブには『3つの共通点』あり!

最初にご説明したとおり、プレハブには構造的に少し雨漏りしやすいといったデメリットがあります。特に以下の3つの共通点が当てはまるプレハブは、かなり雨漏りしやすい構造と言えるんですよ。

雨漏りに弱いプレハブの3つの特徴
  1. プレハブの屋根に防水層がない
  2. プレハブの屋根材質がトタン
  3. プレハブの屋根構造が平葺き

    共通点1.プレハブの屋根に防水層がない場合

    一般的な住宅の場合、屋根材、防水シート、下地といったように、少なくとも3層以上の構造になっています。そのため、仮に屋根材に破損などが起きても、防水シートで雨水が止まるようにできているんですね。

    しかしプレハブの場合は低コストゆえに、シンプルに屋根材1枚の構成が多く、防水シートもないなんてことも珍しくありません。

    もし屋根に破損でも起きようものなら、受け止める層がないのでダイレクトに天井から雨漏りが起きてしまうんですね。

    防水対策がしっかりされている一般住宅でも、雨漏りは発生してしまうもの…そう考えれば、防水層のないプレハブは、雨漏りが相当起きやすい状態というのは何となくイメージできるのではないでしょうか。

    共通点2.プレハブの屋根材質がトタンの場合

    プレハブには、主に以下のどちらかが屋根材として使われます。

    • トタン耐用年数約15年。安価で軽量のため多用されるがサビやすい。
    • ガルバリウム鋼板耐用年数約30年。トタンよりも高価だが耐久性も高くサビにくい。

    このようにトタンの場合は耐用年数(寿命)が比較的短めでサビやすいといったデメリットがあります。 

    サビが発生してしまうと、徐々にその部分が劣化し、穴が開いてしまいます。屋根に穴が開いたら…?当然、雨の通り道となってしまいますよね。

    だから、プレハブの屋根材質がトタンだった場合は、その特徴上、より雨漏りがしやすくなってしまうわけです。

    共通点3.プレハブの屋根構造が平葺きの場合

    プレハブの屋根の構造は主に2つあります。

    • 平葺き屋根材を文字通り平面に並べた構造。安価で工期も短いが、変形しやすく水はけが悪い。
    • 折板葺き屋根材を波型にした構造。高価だが変形しにくく、水はけもいい。

      (ちなみに、葺きとは屋根を覆うという意味です。ようは、屋根の構造を表していると思っていただければオーケーです) 

      価格が安く、工期も短くて済む、というメリットを持っている平葺きですが…平葺き屋根は形が平面のため、水が溜まりやすいといったデメリットがあります。

      そのぶん、長い時間水に晒される形となるため、変形しやすく、水はけも悪い、というデメリットがついてまわるんですよね…。

      ですが、やはりプレハブを建てる時は『なる早で』という意向が多いこともあり、平葺き屋根で作られることはよくあるケース。

      持ってるメリットも非常に有益ではありますが、雨漏りしやすくなるデメリットがあるのも、また事実です。

      プレハブは『作る目的上』どうしても雨漏りに弱い構造になりやすい

      プレハブの用途は家の離れや倉庫、事務所、仮設住宅が多く、こういった建物は短期使用やサブ的な要素もあるため『低コスト』で抑えたくなるもの。

      そうなると、どうしても先程挙げた3つの条件に当てはまったプレハブになってしまいがちなんです。コストを抑えられるうえ、工期も短くしやすいですからね。

      「これらの3条件に当てはまらなかったら、雨漏りは大丈夫なの?」

      と思うかも知れませんが、そもそもプレハブは構造上、一般的な住宅家屋と比べて簡易に作られていますので、もともと一般家屋に比べて雨漏りに弱いという弱点があります。

      今回ご紹介した3条件に当てはまってしまうと、その中でも『特に雨漏りに弱い』プレハブとなってしまう、ということです…。

      プレハブが雨漏りしないようにチェックすべき4ポイント

      なるべくなら、雨漏りの被害が発生してから慌てて対処するよりも、先に手を打っておきたいですよね。じつは、プレハブの雨漏りは、構造(というか作り方)が一般家屋とは異なるため、そのチェックポイントや対処すべき部分も少し異なるんです。

      そこで、プレハブの場合に『定期的にチェックしておきたい4つの危険ポイント』をまとめておきました。もしあなたがプレハブをお使いなら、定期的にここら辺をチェックしておくことをおすすめします!

      プレハブが雨漏りした時にチェックすべき4点
      1. ボルトやビス穴
      2. 屋根の取り合い部分
      3. サビによる破損
      4. 屋根の雨水排水不良

      チェックポイント1.ボルトやビス穴

      プレハブの屋根材は基本的にボルトやビスで固定されています。つまりプレハブはどうしても『屋根に穴を開けざるを得ない構造』ということ(しかたのないことなんですけどね)。

      屋根は一年中紫外線や雨風に晒されるので、経年劣化が起きてしまいます。

      そうなるとボルト穴から雨水が浸入してきやすくなり、雨漏りが発生してしまうんですね。

      しかもボルトやビス穴は一つや二つではすみませんので、一度に複数個所から雨漏りが起きる可能性も…。

      プレハブ内に雨水の侵入が確認できた場合、まずこの『ボルトやビスを通している穴』がもっとも疑わしいポイントになります。

      チェックポイント2.屋根の重ね部分や取り合い

      プレハブに使われる金属製の屋根材は、重ね合わせや繋ぎ合わせで組み立てられています。

      一般的な家屋の場合、通常は継ぎ合せで発生する隙間をコーキング(隙間を埋めて防水するためのもの)を使って防水加工しますが…じつは、プレハブではそういった施工はほぼ無いんです。

      (重ね部分を複雑に折り返すなどして、防水をするのが一般的です)。

      もちろん、この施策でも基本的に問題は無いんですが…この方法では、経年劣化によるゆがみや変形、地震などの振動で『屋根の隙間が開いてくる』というリスクが高くなります。この隙間から、雨漏りしてしまうんです。

      チェックポイント3.サビによる破損

      先ほどの『雨漏りしやすいプレハブの共通点』でも言いましたが、安価で多用されることの多いトタン屋根は、どうしてもサビやすいデメリットがあります。

      サビの被害はかなり深刻で、最終的には屋根に穴が開くことになり、そこから雨漏りが起きてしまう状態にまで発展してしまいます。

      新築のプレハブでも要注意!

      基本的に、サビが発生するのは建ててからそれなりに時間の経ったプレハブが一般的ですが…じつは、新築のプレハブでもサビにやられてしまうケースは存在します。

      たとえば、風で飛ばされた飛来物などで屋根材そのものに傷が入ってしまった場合などです。こうなると、傷から内部へ雨水が侵入してしまうので、耐用年数にあまり関係なくサビが発生する事態に繋がります。

      このように、新築のプレハブでも雨漏りが起きてしまう可能性はあるので、注意が必要でしょう。

      チェックポイント4.屋根の雨水排水不良

      先ほど『平葺きの場合は水が溜まりやすい』と説明しました。つまり、そもそも屋根に雨水が溜まってしまう、という状態は、非常に雨漏りリスクを高めてしまうわけです。

      『屋根に雨水が溜まってしまうこと』による雨漏りリスクを更に加速させるのが、この屋根の勾配不良。

      ようは、屋根材の”たわみ”や”歪み”が原因で、屋根の勾配に異常をきたし、雨水が溜まりやすくなってしまった状態です。 

      水が屋根に溜まる時間が長ければ長いほど、屋根へのダメージはひどくなり、雨漏りリスクが増えてしまいます。

      他のチェックポイントはダイレクトに『雨の通り道』を作ってしまいます。それに対し、こちらは『雨漏りのきっかけ』を作ってしまう問題です。

      「じゃあ、そんなに心配しなくて大丈夫かな…」

      と思ったとしたら、それは勘違いというもの(汗)。なぜなら、雨漏りの直接的な原因となっている内容はすぐに気づきますし、修理も行うでしょう。

      が…この問題は『直接的に雨水が侵入しているわけでは無い』ので、結構放置されがちなんですよ(というか、そもそも問題に気づいてないケースが多いです)。

      屋根の排水不良があるうちは、いくら他のボルトやサビ穴を直したとしても、雨漏りしやすい状態は変わらないまま…ある意味、一番厄介な問題かも知れません(汗)

      プレハブが雨漏りしてしまった場合の対処法!

      残念ながら、すでにプレハブに雨漏りが発生している場合…早急に応急処置をして、雨漏り被害を一旦止めてしまうことが大切です。

      誰でもできる応急処置の対応方法としては、ここら辺が効果的。

      とりあえずの応急処置!
      • バケツ等で水を受け止める
      • 防水テープで穴を塞ぐ
      • 屋根にブルーシートを被せる

      バケツ等で水を受け止める

      室内に水が垂れている場合、家具や家電品が濡れてしまいます。ましてや事務所であれば仕事道具が濡れてしまうかもしれないので、バケツで水を受け止めましょう。

      もしもサビの侵食によって屋根に穴が開いたことによる雨漏りの場合、結構派手に雨水が侵入してくることもあります(穴、開いてますからね…)。

      そんな時は、中途半端に雨水の侵入を防ぐ対処だけを行っても、なかなか侵入そのものを止めることはできません。

      そこで、古典的ですが『侵入した水が被害を広げないように』対処してしまいましょう。バケツの中に雑巾などを入れておくと、落ちた水も飛び散りにくいのでおすすめです。

      防水テープで穴を塞ぐ

      ボルトやビスの穴から雨水が侵入しているケースなどには、結構使えます。穴の大きさによっては、屋根に開いてしまったサビ穴にも使えるでしょう。

      ホームセンターで簡単に手に入り、なおかつ貼りやすいので誰でも簡単に補修ができます(ただし、効果はあくまでも一時的です。これで恒久的な対応をするのは不可能ですので、勘違いしないように…!)

      屋根にブルーシートを被せる

      • サビ穴が複数あった…
      • 屋根材の重ね部分の隙間がひどい…

      といった場合、なかなか防水テープで雨水の侵入を防ぐのは難しいです。プレハブの中がそこらじゅうバケツだらけになるのも考えものですよね(汗)。

        そういった場合に行いたい応急処置が、こちら。屋根にブルーシートを被せてしまうという方法です。

        広範囲をカバーでき、かつ低コストなので便利。具体的な雨漏りポイントがわかっていない場合でも、大きく覆うことができるので、効果を発揮することができます。

        ただし…この対処方法は、言うまでもなく『屋根に登る』必要があるので気を付けて下さい。特に、雨の中で高所作業は大変危険です。何よりも『安全』を第一に考えてください!

        プレハブの雨漏り、自分で修理できる?

        先ほどご紹介したのは、あくまで応急処置。そのままにしていれば、いずれは雨漏り被害が大きくなり、対処しきれなくなります。

        一度発生した雨漏りは、適切に対処を施さない限り、勝手に直ることはありませんからね…。

        では、プレハブの雨漏り修理は、自分でも出来るものなのか?結論は『結構難しい』と言えます(汗)。

        発生原因がサビや歪みなどの『根本的な破損』に起因しているケースが多く、素人が自分で直すのはかなり難しいと言えます。

        また、一部の屋根を自分で交換してしまうと、屋根を重ね合わせて雨水の侵入を防いでいた箇所に、新たな隙間を作り出すことになりかねません。こうなると、新たな雨漏り原因を自分で作っているだけです…。

        それらの理由も含め、本格的な修理をする場合は、なるべく自分でではなく専門的な知見を持つ修理業者に依頼したほうが安全です。

        じつは、プレハブの雨漏りでも火災保険は適用可能

        『雨漏り修理に火災保険が使える』ということをご存知でしょうか?じつはこれ、もちろんプレハブの雨漏りにも適用できるんです!

        火災保険が適用できれば、雨漏り修理費用も保険でまかなうことができるかも知れませんね!

        ただし…保険が適用されるのは、『雨漏り原因が経年劣化ではなく、自然災害による場合』という条件があります(これは、プレハブも一般家屋も同じ)。

        そのため、確実に保険が使えるか…というのはケースバイケース。また、保険の内容や契約形態など、色々な条件もありますので、残念ながら保険が使えない…といったケースも(汗)

        私たち雨漏りの匠では、その時発生している雨漏りが『火災保険が使えるかどうか』といった調査確認から、実際の保険申請業務まで、幅広く完全無料でお手伝いしています。もし保険適用が気になりましたら、お気軽にお問い合わせくださいね!

        火災保険を適用する場合、保険会社のチェックを通す前に修理などを行うのは厳禁です(最悪の場合、申請が通らなくなります…)。ので、きになることがあれば、気兼ねなくお気軽にご相談ください!

        プレハブの雨漏りについて:まとめ

        では、少し長くなりましたので、最後にここまでの内容をまとめます!

        雨漏りしやすいプレハブの3つの共通点
        1. プレハブの屋根に防水層がない
        2. プレハブの屋根材質がトタン
        3. プレハブの屋根構造が平葺き
        定期的にチェックしたい4つのポイント
        1. ボルトやビス穴
        2. 屋根の取り合い部分
        3. サビによる破損
        4. 屋根の雨水排水不良
        雨漏りに気づいたら応急処置を!
        • バケツ等で水を受け止める
        • 防水テープで穴を塞ぐ
        • 屋根にブルーシートを被せる

        プレハブの雨漏りは根本原因に『破損』が多く、自分で直すのは少し厳しい…新たな雨漏り原因を作ることになりかねないため、できれば修理は業者に依頼しましょう。

        プレハブでも火災保険の適用自体は可能。しっかりとチェックすべし!

        価格も安く便利なプレハブ。メリットもたくさんありますが、その分、一般住宅と比べて雨漏りがしやすいデメリットもあるのは事実です。

        ただ、そのことを知っていて、しっかり対処できれば少しは安心できますよね。

        ぜひこの記事の情報をこれからの暮らしに活かしてくださいね。

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