タイル外壁で雨漏りする人がやっているミス【手入れ不要は勘違い】

タイル外壁は、数ある外壁材の中でも『高い耐久性』を誇る外壁。

耐久性だけでなく、防水性に関してもかなり優秀。業者によっては『タイル外壁はメンテナンス不要!』と謳う業者もいるくらいです。

…が、それは大間違い(汗)。

じつはタイル外壁であってもメンテナンスは必要不可欠です(タイル外壁が非常に優秀なのは間違いありませんが)。

ところが、かなり多くの方が『タイル外壁はメンテナンス不要』という勘違いをしており、せっかく高い耐久性と防水性を兼ね備えたタイル外壁を採用しているにもかかわらず、雨漏り被害にあってしまう人が結構いらっしゃるんですよね…。

そこでこの記事で、タイル外壁の特徴や雨漏り原因を、雨漏り専門家の目線から解説してみました。

ぜひ読んでみてくださいね。

目次

“雨漏りの専門家から見た”タイル外壁の特徴

タイル外壁は耐久性、防水性に非常に優れた部材。そのため、じつは『雨漏りに対しては非常に有効な外壁』と言っても過言ではありません。

日本で最も使用されているサイディング外壁と耐用年数(寿命)を比べても

サイディング外壁との比較
  • サイディング外壁:20~30年
  • タイル外壁:40年

と、約2倍の差があります。

タイル外壁が優秀な理由

そもそもタイルの原料は石や砂、金属、ガラスといった『自然から採取される、無機質の物質』。いわゆる自然物質です(サイディングなど、人工物は有機質)。

元来、自然界に存在する石や砂は紫外線や雨風でも劣化が非常に少ないので、これらを原料としたタイルが高耐久なのはある意味当然と言えますね。

またタイルは吸水性が低く、雨が当たっても吸水してしまうことが非常に少ないのも大きなポイント。

一般的なサイディングは素材自体に防水性がなく、塗装をしなければ雨を吸って傷んでしまいます。ですが、タイルはそういった心配も不要。

吸水することがほぼありませんので、塗装をする必要もありません。総合的に見て、タイル外壁は『雨漏りに対して強い外壁』と言えるでしょう。

タイルはメンテナンス不要?→いいえ、必要です

耐用年数も長く、雨漏りにも強いタイル外壁ですが…じつは、メンテナンスが不要というのは大きな間違い。それどころか、タイル外壁はむしろ『頻繁なメンテナンスが必要』と言えるタイプなんですよね(汗)。

というのも、タイル『そのもの』は非常に耐久性が高く、メンテナンスもほとんど不要なのですが…。

タイル外壁は、四角のタイルを外壁の下地に張り付ける構造になっています。この『タイル同士の隙間部分』が、かなりの速さで経年劣化してしまいます。

その目安は、なんと『わずか10年ほど』(汗)。

だからタイル自体は非常に高耐久でメンテナンスもそんなに必要ではありませんが、タイル『外壁』は(その隙間部分が)メンテナンスを必要とするわけです。

タイル外壁の家屋で雨漏りしないために

タイル外壁を採用している家屋で注意すべきポイントは、大きく4つ。

  1. 目地や下地の劣化
  2. コーキングの劣化
  3. タイルの浮き/剥がれ
  4. タイルの破損

注意ポイント1.下地の劣化

タイルを貼り付ける下地部分には『モルタル』とい素材がよく使われていますが、モルタルのメンテナンス時期は8~10年とかなり短めです。

下地が劣化するとひび割れなどの異常が発生してしまい、雨漏りにつながってしまいます。

注意ポイント2.コーキングの劣化

タイルの目地にはコーキング(隙間を埋める為のゴム状の素材)が使用されているケースが多くあります。

コーキングは外壁だけでなく、家屋の様々な箇所で使用される素材ですが…じつは紫外線に弱く、経年劣化によってひび割れや剥がれといった破損を起こす素材。一般的な耐用年数はやはり10年ほどしかありません。

タイル同士の隙間を埋めたコーキングが劣化してしまうと、ひび割れたコーキングから雨水が侵入し、下地の劣化を早めてしまうので要注意です。

注意ポイント3.タイルの浮き/剥がれ

タイルの下地に使われているモルタル は、気温の変化によって膨張・収縮する性質を持っています。この性質によって、タイルが浮いたり剥がれたりということが発生してしまうんですよね(汗)。

タイルが浮いたり剥がれたりすれば、当然ながら下地は剥き出し。その分、雨漏りリスクが高くなる恐れがあります。

注意ポイント4.タイルの破損

タイルは確かに耐久性に優れていますが、当然ながら絶対に破損しないわけではありません。

以下のような要因によって、強固なタイル外壁でも破損することがあります。

タイル外壁が破損するケース例
  • 下地のモルタルが膨張・収縮した影響
  • 建物の基礎の沈下や地盤の傾き
  • 地震などの自然災害

タイル外壁の雨漏りを未然に防ぐためには?

タイル外壁の雨漏りの原因についてはご理解いただけたかと思います。

ではここからは、タイル外壁における、雨漏りを未然に防ぐための3つの対策を説明していきますね。

  1. 定期的なセルフチェック
  2. 業者によるチェック
  3. 小さな異常も即対応

定期的なセルフチェック

タイル外壁は、比較的セルフチェックがしやすい外壁です。

セルフチェックの観点
  • タイルそのものに破損がないか?
  • 目地(コーキング)にひび割れなど、劣化していないか?

特に目地やコーキングはタイルよりも劣化が早いので、しっかりと確認しておきたいところですね。

業者によるチェック

自身でのチェックも効果的ではありますが、確実に以上の早期発見を求めるなら業者に依頼するのもオススメです。

比較的セルフチェックがしやすいタイル外壁ですが、じつは『タイルの浮き』は少々分かりづらく、セルフチェックで見落としてしまうことも珍しくありません。

小さな異常も即対応

軽度の破損等であれば、「これぐらい大丈夫だろう…」と後回しにしてしまう方もいらっしゃいますが…雨漏り専門家の視点としては、それは『絶対にNGな行為』です。

少しでも何か異常があれば必ず放置せず対応処置を実施しましょう。

まず自分でできる範囲の応急処置を!

下地であるモルタル部分にひび割れや破損があった場合、自分で補修するのは困難です。

コーキングに関しても、自分でもできないことはありませんが、技術的に少し難易度は高め…。

そのため、自分でできる応急処置としては『破損箇所に雨が当たらないようにする』といったシンプルな方法が簡単かつ効果的です。

あくまでも応急処置にはなりますが、ホームセンターで簡単に手に入るブルーシート、もしくは防水テープを使って破損箇所を保護してしまいましょう。

たとえ破損していても、雨が当たらなければそれ以上の被害にはつながりません。異常があった際は、まずこのように応急処置を施してください。

“必ず”業者に確認・修理を依頼しましょう

自分でできるメンテナンスはあくまでも応急処置レベル。ましてやいつまでもブルーシートをかけておくわけにもいきませんし、防水テープの効果も永遠ではありません。

なので、異常を発見したらまずは被害がひどくならないように応急処置。

そしてタイミングをみて、必ず業者に依頼をしましょう。

タイル外壁の本格的な修理対応は素人では難しい部類に入ります。下手なことはせずに、しっかりと業者に相談することをオススメします!

高耐久のタイル外壁で雨漏りが起こる原因.まとめ

では、最後にこの記事の要点をまとめていきますね。

タイル外壁は…⬇︎

タイル外壁の特徴

耐久性・防水性ともに優れ、寿命も長い!…が、メンテナンスは『むしろ、結構必要』な外壁。

タイル外壁のメンテナンス頻度が高い理由は…⬇︎

メンテナンス頻度が高い理由

下地のモルタルや目地を埋めるコーキングがメンテナンスを必要とするから。

タイル外壁でチェックすべきポイントは…⬇

4つの注意ポイント
  1. 下地の劣化
  2. コーキングの劣化
  3. タイルの浮き/剥がれ
  4. タイルの破損

タイル外壁の雨漏りを未然に防ぐには…⬇︎

3つの対策を心がける
  1. 定期的なセルフチェック
  2. 業者によるチェック
  3. 小さな異常も即対応

耐久性、防水性において非常に優秀なタイル外壁。

しかし、そんなタイル外壁も必ずメンテナンスは必要。メンテナンスを怠ってしまうと、いずれ雨漏り被害に頭を悩ませてしまうでしょう。

雨漏りは百害あって一利なし。『起きてから対応する』ではなく『未然に防げる』のが一番です。しっかりとメンテナンスを行いましょうね!

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