アスファルトシングル屋根の雨漏り原因と特筆すべき3つの注意点とは?

この記事で分かるポイント
  • 耐久性の高いアスファルトシングル屋根で雨漏りが起きる原因
  • アスファルトシングル屋根の雨漏り修理で気をつけるべき注意点

数ある屋根材の中でも、日本ではまだまだ知名度の低いアスファルトシングルの屋根。

そんな低めの知名度ではありますが、じつはこの部材…耐久性や防水性など、性能的にはかなり優秀な屋根材。少しずつですが、採用される家屋も増え始めています。

そこでこの記事では『アスファルトシングル屋根だからこそ』気をつけてなければいけない注意点をまとめておきました。

目次

アスファルトシングル屋根における雨漏りのメリットとデメリット

アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けた屋根材です。

他の屋根材と比べて、もっと大きく違うのは『素材の柔らかさ』。一般的な瓦やスレートは衝撃が加わると割れたりもしますが、アスファルトシングルはその逆で、曲げられるほど柔らかいんです。

そんなアスファルトシングルの、雨漏りの観点から見たメリット・デメリットをそれぞれ説明していきますね。

雨漏り観点から見る、アスファルトシングルのメリット

雨漏りの観点から見たメリットはおもに2つ。

  • 耐久性に優れている
  • 防水性に優れている

メリット1.耐久性に優れている

やはり、アスファルトシングルの特徴といえばこれ。他の屋根材と比べて柔らかく柔軟な素材です。

そのため、

  • サビない
  • 割れない
  • 表面の石によって傷に強い

といったような特徴があるんですね。

ほとんどの屋根材において、サビやひび割れ、傷などの破損や劣化は雨漏りの原因となります。が、アスファルトシングルの屋根にはそのリスクが非常に小さいのです。

また、アスファルトシングルの耐用年数(寿命)はおよそ20~30年。しかも、メンテナンス期間も20年〜30年と、非常に『手間がかかりにくい』屋根材でもあります。

一般的に人気なスレート材が耐用年数15~20年、メンテナンス期間が7〜8年…こうして数字で見ると、かなりの差があることがわかるはず。手がかからず耐用年数も長い、と非常に優れた耐久性であることがわかりますね。

メリット2.防水性に優れている

雨漏りを防ぐにあたって、防水性は非常に重要。アスファルトシングルは、この『防水性』についても非常に有能な素材です。

というのも、アスファルトシングルという屋根材自体がじつは防水シートになっているため、非常に防水性が高いんですよ。

通常の構造で言えば、屋根材の下に防水シートが1枚張ってあるだけ。なので屋根材が割れると防水シートまで雨水が侵食し、劣化が進んで雨漏りが起きてしまいます。

しかしアスファルトシングルは屋根材自体にも防水シートが使われている2段構えの構造になっているんですよ。例えるなら、傘を差しながら雨合羽も着ているようなもの。これならば、そうそう体は濡れませんよね。

これと同じように、アスファルトシングルの屋根材は非常に防水性が高く、雨漏りにも強い屋根材と言えるんです。

雨漏りの観点から見る、アスファルトシングルのデメリット

非常に優れた部材であるアスファルトシングルですが、当然デメリットが存在しないわけではありません。これだけ優れた部材でも、大きな2つのデメリットが存在します。

  • 強風に弱い
  • カビや苔が発生しやすい

デメリット1.強風に弱い

じつは、アスファルトシングルは非常に軽量な屋根材なんです。だからこそ耐震性に優れているので、それ自体はメリットにはなるんですが…その反面、強風に弱いという欠点があります(汗)。

ですから、台風などで強風が吹いた際に風にあおられてしまい、屋根がめくれたり剥がれたりする危険があります。いくら屋根材自体が防水性が高くても、風に飛ばされてしまえば防水性も何もあったものではありませんよね(汗)。

だから軽量というのは、雨漏りにおいてはリスクが高いと言えるんです。

デメリット2.カビや苔が発生しやすい

そして、もう一つのデメリット…それが『カビや苔が発生しやすい』というポイントです。

アスファルトシングルは表面に石粒による凹凸ができてしまいます。この凹凸の隙間に滞留しやすくなり、カビや苔が発生しやすくなってしまうんですよ(アスファルトシングルでも少しずつ経年劣化はしますので…時と共にこの凹凸隙間も深くなってしまいます)。

カビや苔が部材に直接生えてくると、その部分は劣化が進みやすくなってしまうため、せっかく耐用年数に優れたアスファルトシングルであっても雨漏りリスクが高くなってしまうんですよ。

アスファルトシングル屋根における主な雨漏り原因

さて、それでは先述したデメリットをふまえたうえで、アスファルトシングル屋根で雨漏りが発生するおもな”3つ”の原因をお伝えします。

  1. アスファルトシングルのめくれ/剥がれ
  2. 表面の劣化
  3. 釘穴からの雨漏り

原因1.アスファルトシングルの剥がれ

まさにデメリットが影響した結果ですね。アスファルトシングルを採用した屋根は、屋根材自体のめくれた/剥がれたという原因での雨漏りが非常に多いパターンです。

屋根が剥がれてしまうと、当然ながら優れた屋根材の利点は文字通りすべて吹き飛んでしまいます。

屋根の下には防水シートが設置されていますので、屋根が多少めくれた/剥がれたとなっても、すぐに雨漏りに繋がるわけではありませんが…この状態は非常に危険なのはいうまでもありませんよね(汗)。

ちなみに剥がれの原因は強風だけでなく、接着の甘さ等で、剥がれてしまうこともあるので注意しましょう。

原因2.表面の劣化

こちらも、デメリットがそのまま影響していますね。表面に苔やカビが生えることによって、アスファルトシングルそのものが劣化してしまいます。

通常、アスファルトシングルの耐用年数は20~30年。しかし苔やカビが発生してしまうと、その数字以上に早く寿命を迎えてしまうんですよ。

『たかが苔やカビ』と思うかもしれませんが、部材からすればかなりのダメージにつながります。

原因3.釘穴からの雨漏り

アスファルトシングルは主に釘と接着剤で施工されていますが、この釘が経年劣化によって少しづつ浮いてきてしまうことがあるんです。

釘が浮いてしまうと、その隙間から雨水が侵入するようになってしまいます。やはり、こうなってはどれだけ優れた屋根材であっても意味を為しません(汗)。

(防水シートもあるので)それだけですぐに雨漏りという訳ではありませんが、この状態は防水シートの劣化にも繋がるので、早急に対応すべきです。

アスファルトシングルの雨漏り対策・修理で気をつけるべき3つの注意点

ここまでで、アスファルトシングルの雨漏り原因を説明してきました。それを踏まえて対策や修理を行う必要があるんですが…冒頭申し上げたように、『アスファルトシングル屋根だからこそ』気をつけておかなければいけない3つの注意点があります。

ここではそれらを解説していきますね。

  1. 特に台風に注意!
  2. 屋根の塗装に注意!
  3. 業者選びに注意!

注意点1.特に台風に注意!

何度もご説明しているように、アスファルトシングルはとにかく強風に弱い素材…台風が発生すると、弊社にもかなりの頻度で雨漏りの相談が発生します(汗)。

他の屋根材でも台風後は当然チェックするべきなんですが、ことアスファルトシングルにおいては特に軽量なので注意が必要なんですよね。

また、場所が屋根ということもありぱっと見では気づかない場合もあり、気がつかないまま剥がれた状態を放置してしまう…みたいなケースもよくあります。

台風の後は、特に注意するようにしてくださいね。

台風で被害を受けた場合は、保険が使えるかも?

ご存知ない方も多いですが、じつは火災保険は『台風被害による雨漏り』にも適用することが可能。もしも台風後にアスファルトシングルの雨漏りが発生していた場合は、保険適用できるかも知れません。

保険の申請にはかなり面倒な手続き&準備が必要となるので、ご自身で対応しようとせずに、ちゃんとした専門業者に相談するようにしてくださいね。

注意点2.屋根の塗装に注意!

屋根の耐久性や美観を保護するのに、塗装メンテナンスは欠かせません。雨漏りの修理ではありませんが、予防という観点においては重要なメンテナンスになります(デザイン的な意味合いもありますね)。

ただし、アスファルトシングルはちゃんと『その構造を理解した業者』でないと、致命的な塗装ミスをする場合があります(汗)。

というのも、アスファルトシングルは何枚ものシートを張り付けていく屋根です。その際、内側に入り込んでしまう雨水を排水するためにあえて隙間を開けているんですよ。

塗装を行う際、塗料でこの隙間が防がれることがあるので、カッターなどで隙間を開ける『縁切り』という作業が必要になるんですね。ところが…なんと、この構造仕様を知らない業者が結構いるんです(汗)。

縁切りが適切に施されていない場合、屋根の内側に雨水が滞留することになるため、雨漏りリスクは非常に高くなってしまいます。

注意点3.業者選びに注意

注意点2にも関わってくるところですが…冒頭申し上げたとおり、アスファルトシングルはまだまだ日本での認知度やシェアは少ない屋根材です(2007年ごろから、日本でも少しずつ普及し始めました)。

じつはこれ、消費者側だけでなく、業者にも同じことが言えるんですよ。つまり、アスファルトシングルを施工できる、知識のある業者は、現状日本にはまだまだ少ないということです。

言い方は悪いですが、アスファルトシングルに精通していない業者に雨漏りの修理やメンテナンスを依頼しても適切な作業は難しく、余計に雨漏りリスクが高まることも考えられるでしょう。

だからこそ、業者に依頼する際は必ずそういった点も確認する必要があるんですね。

アスファルトシングル屋根の雨漏り原因と特筆すべき3つの注意点とは?:まとめ

では、最後に内容をまとめていきますね。

アスファルトシングル屋根における雨漏りのメリットは…⬇︎

雨漏り観点から見る2大メリット!
  • 優れた耐久性!
  • 優れた防水性!

アスファルトシングル屋根における雨漏りのデメリットは…⬇︎

雨漏り観点から見た2大デメリット!
  • 強風に弱い…
  • 苔やカビが発生しやすい…

アスファルトシングル屋根における主な雨漏り原因…⬇︎

  • アスファルトシングルの剥がれ
  • 表面の劣化
  • 釘穴からの雨漏り

アスファルトシングルの雨漏り対策・修理で気をつけるべき3つの注意点は…⬇︎

  1. 特に台風に注意!
  2. 屋根の塗装に注意!
  3. 業者選びに注意!

耐久性、防水性に優れたアスファルトシングルの屋根材であっても、確実に雨漏りを防ぐといったことは不可能。しかも…その認知度の低さと採用数の少なさから、扱いも難しい部材です。

もしも「トラブルが発生した?」と思った時は、ご自身での対応はもちろん、適当な業者選びもNG(汗)。しっかりと専門業者に相談し、適切な対応をするようにしましょうね。

では、この記事があなたの役に立つことを願います!

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