- 雨漏りを予防するためにチェックするべきポイントが分かる
あなたは今の家に住み始めてからどれぐらい経ちますか?
1年?5年?それとも10年ぐらいでしょうか?
新築の方にはあまり関係ないかもしれませんが、10年以上今の家に住んでいるのであれば、家屋によっては『雨漏りトラブル』が起きてもおかしくない経過年数といえます。
これは、あなたの家が悪いというよりも、家屋というのは『そういうもの』だからです…。
こまめに家のメンテナンスをしていないようならば、すでにあなたの家にも『雨漏りの前兆』が現れているかも。
あなたの家で雨漏りを発生させないために、ご自身でもできる『雨漏り予防チェック』をお伝えしておきます。ぜひ読んでみてください。
雨漏り予防の本題の前に…
ここで紹介する内容は、あなたの家の劣化具合などをチェックしてもらう方法ですが…。
くれぐれも安全面には細心の注意をはらってください。
というのも、雨漏りのチェックは高所作業になることもあるので、大けがにつながるリスクがあるからです。
中でも特に危険なのが『屋根』。屋根をチェックする場合できるだけ地上から双眼鏡などを使って見るようにしてください。
繰り返しますが、くれぐれも無理はしないことです!
雨漏り予防:7つのチェックポイント
では、ここから雨漏りを予防するためにチェックしていくべきポイントについて説明していきます。
チェックして欲しい箇所ごとに分けてありますので、順に解説していきますね。
- 屋根
- 外壁
- 窓(天窓)
- バルコニー
- 室内
- 押入れ
- 換気扇
各項目ごとに、さらに細かくチェックポイントを記載しています。
それに当てはまるのであれば雨漏りが起きる可能性、またはすでに起きているということもあるので、注意して見てみてください。
※あくまで自分で確認できる範囲内ですので、すべてを完璧にチェックできるわけではありません。
チェックポイント1.屋根
まずは代表的な雨漏り箇所である、屋根のチェックポイントをお教えします。
- 屋根材に破損やずれはないか?
- 雨仕舞板金が浮いたり、釘が浮いたりしていないか?
- 雨樋(あまどい)に破損は起きていないか?
- コーキングにひびが入っていないか?
- 特に注意!陸屋根の場合
屋根材に破損やずれはないか?
屋根材は瓦はもちろん、最近はスレート材というのも人気で使用しているお宅が多いです。これらにひびなどが入っていればそこから雨漏りが起きる可能性が高くなってしまうでしょう。
瓦の場合は台風などでズレが生じる場合も。これももちろんよろしくないので、そのままにしておいては危険です。
ちなみにあくまでも目安ですが、屋根材の耐用年数は
- 日本瓦50年~100年
- スレート屋根15年~25年
- 板金10~20年
- コーキング5年~10年
なので、これぐらい築年数が経っている方は特にご注意。
雨仕舞板金が浮いたり、釘が浮いたりしていないか?
雨仕舞とは、屋根の弱点(水が溜まりやすい箇所や入りやすい箇所)を守るための構造のこと。ここに板金を設置することで雨水を外に逃がす働きがあります。
- 棟板金…三角屋根の頂点部分など、屋根面が交差する部分を「棟」と言って、そこをカバーする板金
- 谷樋(たにどい)…屋根にある「谷部分」に設置された板金。屋根に溜まった雨水を外に逃がす大事な役割
特に注意したいのはこの2つ。これらが浮いていたりしないかチェックしてみてください。
雨樋(あまどい)に破損は起きていないか?
雨樋が壊れている、またはゴミが溜まって詰まっている場合は雨漏りしてしまう可能性があります。
本来雨樋は屋根に溜まった雨水を排水する役割。
しかし、破損が起きたり、ゴミ詰まりでその機能が正しく働かなければ水が溜まって、雨漏りリスクは高まってしまうのです。
コーキングにひびが入っていないか?
コーキングとは隙間を埋めるための柔らかいゴム状の液体。このコーキングが屋根材の僅かな隙間を埋めて雨水を防いでいるのですが、ここにひびが入っていれば危険です。
ちなみにコーキングの耐用年数はおよそ5年~10年ほどなので、こまめなメンテナンスが必要なんですね。
特に注意!陸屋根の場合
傾斜のないフラットな陸屋根は、一般的な三角屋根よりも雨水が溜まりやすく劣化がしやすいため、雨漏りリスクは高いんですね。
また、人が歩けるため、防水層が剥がれてしまいやすいといったデメリットも。
もしあなたの家が陸屋根ならば、特に注意してチェックしてみましょう。
その際はひびもそうですが、排水溝にゴミなどが詰まっていないかチェックしてみてください。詰まっていれば雨水が溜まって、雨漏りリスクが高まります。
チェックポイント2.外壁
屋根だけでなく、外壁からも雨漏りは起こります。
- 外壁塗装にひび割れや剥がれは起きていないか?
- 外壁の繋ぎ目のコーキングにひびが入っていないか?
外壁塗装にひび割れや剥がれは起きていないか?
家を守る外壁には防水性や寿命を上げるために塗装がされています。
しかし劣化が進むと塗装が剥がれたり、ひびが入ってしまうことがあるので、そこから雨漏りは起きてしまうのですね。
また、外壁をさわった際に、チョークの粉のようなものが手についてしまう場合も、劣化のサイン。
ちなみに外壁塗装の耐用年数は一般的に10年~15年ほどと言われていますが、材質によっては5年程のものもあるのでご注意ください。
外壁の繋ぎ目のコーキングにひびが入っていないか?
屋根のところでも触れましたが、コーキングは外壁にも使われています。
ひびが入っていないか、よく見てみてくださいね。
チェックポイント3.窓(天窓)
意外かもしれませんが、雨漏り発生ナンバーワンがこの窓。しっかりとチェックが必要です!
- 窓付近の外壁にひび割れなど破損がないか?
- 窓まわりのコーキングにひびは入ってないか?
- 窓の引き違い部分の隙間や建付けは問題ないか?
- 雨戸が破損していないか?
- 窓枠のレールにゴミやホコリが溜まっていないか?
- 特に注意!天窓がある場合
窓付近の外壁にひび割れなど破損がないか?
窓付近の外壁から侵入し、窓から雨漏りしてくるパターン。
こういったことが起きるので、窓付近の外壁にひび割れがないか、チェックしておきましょう。
窓まわりのコーキングにひびは入ってないか?
窓は外壁に穴を開けて設置しているため、本来雨漏りリスクが高い箇所。
そのため、その隙間を埋めるためのコーキングは重要なので、しっかりチェックしてみてください。
窓の引き違い部分の隙間や建付けは問題ないか?
当たり前ですが、こういった場合は隙間ができるので、そこから雨漏りしてきます。
さわって確認してみましょう。
雨戸が破損していないか?
雨戸は窓を雨風から保護する役割りのため、ここが破損していれば当然雨漏りリスクは高まります。
窓枠のレールにゴミやホコリが溜まっていないか?
窓枠のレール部分には、じつは小さい穴が開いています。
これは窓枠に溜まった雨水を排水するためのもの。もしここにホコリなどゴミが溜まっていれば、排水されなくなるので、チェックしておきましょう。
特に注意!天窓がある場合
天窓は屋根に本来なかった穴を開けて設置しているので、やはり雨漏りリスクが高い箇所。
ただの結露だと思っていたら雨漏りだった…という話も少なくありません。
天窓があるのなら、天窓周辺の天井をチェックしてみてください。もし天井にシミができているのなら、雨漏りしている可能性は非常に高いでしょう。
チェックポイント4. バルコニー
ここも意外と経年劣化による雨漏りが起こりやすい箇所。
じつは屋根や外壁よりも劣化が進みやすい、隠れた『雨漏り危険地帯です。
- 雨が上がった翌日以降も雨水が溜まっていないか?
- 排水口にゴミが溜まっていないか?
- 床にひびや塗装剥がれが起きていないか?
- 笠木(手すり部分)に異常はないか?
雨が上がった翌日以降も雨水が溜まっていないか?
バルコニーは基本的に雨水がちゃんと排水されるように設計されています。にも関わらず、雨水がいつまでも溜まっている場合は要注意!
雨水が溜まっていれば溜まっているほど、雨漏りリスクは当然ながら高まります。
その場合は床の傾斜に異常が出ているかもしれません。
排水口にゴミが溜まっていないか?
バルコニーには風に乗ってゴミや虫の死骸が飛んできます。
そのゴミが排水溝に詰まって、雨水が流れないということは珍しくありません。流れない=雨水が溜まるので雨漏りリスクは高まってしまいます。
床にひびや塗装剥がれが起きていないか?
特にバルコニーの床は洗濯などで人が歩ける分、擦れてしまうので劣化が進みやすいのです。
また、植木鉢など物を置いておくのも劣化の原因になってしまいやすいため、注意しましょう。
笠木(手すり部分)に異常はないか?
笠木は手すり部分の最上部にかぶせる仕上げ材で、これはビスによって打ち付けられ、さらにコーキングで隙間を埋めています。
しかし、バルコニーにおいてもっとも雨風の影響を受けやすい箇所のため、そのぶん劣化がもっとも激しいんですね。
そのため、笠木を止めているビスにゆるみや浮きがないか?コーキングにひび割れはないか?を重点的にチェックしましょう。
チェックポイント5.室内
天井や壁など、室内にも雨漏りの前兆は現れます。
室内に被害が見つかる場合、すでに裏側で雨漏りが進行している可能性が高くなりますので、しっかりチェックしましょう!
- 天井にシミができていないか?
- 天井の膨らみやクロスの剥がれはないか?
- 室内の壁に湿った部分がないか?
- 部屋の中でカビ臭いにおいがしないか?
- 雨漏りのようなポタポタ音がしないか?
- 床が濡れていることがないか?
天井にシミやカビが発生していないか?
天井にシミやカビがあるのは代表的な雨漏りのサイン。
この場合、天井裏にはすでに雨水が浸入してしまっている可能性が非常に高いでしょう。
天井の膨らみやクロスの剥がれはないか?
さすがにこの状態になるまでに気づくかと思いますが…この場合は、天井に相当なダメージがある危険があります。
これは天井に大量の水分が含まれている証拠。放っておけば天井が落ちてしまうこともあるので、早急な処置が必要です。
室内の壁に湿った部分がないか?
目に見えて濡れている、またはさわったら濡れている、という場合は壁から雨漏りが起きている可能性があるでしょう。
部屋の中でカビ臭いにおいがしないか?
雨漏りは目に見えない天井裏などで起きている可能性があります。
そのため、知らず知らずのうちに家のどこかに雨漏りによるカビが発生してしまうことも。
もし室内がなぜかカビ臭い…という場合は雨漏りを疑いましょう。
雨漏りのようなポタポタ音がしないか?
室内でポタポタと水が垂れるような音がしていたら要注意!
水漏れの可能性もありますが、どこかで雨漏りが起きている可能性も少なくありません。
床が濡れていることがないか?
なにかこぼしたわけでもないのに、床が濡れている…なんてことがあれば雨漏りかもしれません。
雨漏りは天井など上からではなく、下から起きる場合だってあるのです。
チェックポイント6.押入れ
結構気づきにくい、盲点な箇所です。
特に掃除や物を定期的に出し入れしていなければ見落としがちなので要注意。
押入れの中を見て、特に四隅が濡れている、シミができているのならば、雨漏りが起きているかもしれません。
チェックポイント7.換気扇
意外なイメージですが、換気扇が原因で雨漏りが起きることも。ここで注意したいのは外側である換気口部分。
ご家庭にもよりますが、換気口には雨を侵入させないための屋外フードが設置されています。これに破損が起きていたり、付近の壁やコーキングにひびが入っていれば、そこから雨漏りが起きてしまうので、一度確認してみてください。
築10年以上の家屋は、しっかりチェックが必要!
屋根材や外壁などは雨風から家屋を守ってくれていますが、その効果は永久ではありません。
紫外線や雨風などに常にさらされ続けると、その防水性や耐久性が落ちてしまい、少しづつ経年劣化が。その結果ヒビなどの破損やトラブルが起きて、雨漏りが起きてしまいます。
素材にもよって違いはありますが、耐用年数(寿命)は早い物で10年ほどの素材も。
最初にお話しした『築年数が10年以上経っている場合、雨漏りしてもおかしい話ではない』というのは、ここが理由です。
もしあなたの家の築年数が10年ほど経っている場合、すでに経年劣化が始まっていてもまったくおかしくありません。注意が必要です!
雨漏りが疑わしい場所を見つけたら…
雨漏りが疑わしい箇所を見つけたら、そのまま放置せずにすぐに対応をするべきです。
雨漏りは、対応が早ければ早いほど被害も修理額も小さくなりますし、放置すればするほど被害も修理額も大きくなっていくもの。
雨漏り対応でもっともやってはいけない行為が『放置』なんです(汗)。
そこで、最終的にはちゃんと『雨漏り修理の専門業者』を利用しましょう。
といっても、いきなり修理を依頼しましょう、というわけではありません。まず利用すべきは『無料相談』です!
相談〜現地確認〜見積もりまで無料対応が基本
雨漏り修理業者は数多くありますが、その中でもちゃんとした業者なら、相談から現地での簡易調査、お見積りまで無料で対応するのが基本です。
(そもそも、お話を聞いて現地を確認しないことには、それが雨漏りなのかどうかも分かりませんからね…)
なんの予兆もないのにいきなり電話するのは気がひけるかも知れませんが、今回ご紹介したようなチェックを行って『疑わしい箇所がある』のであれば、それはなるべく早く相談すべき状況と言えます。
より細かく、ご自身だけでは出来ないようなチェックも行ってくれるので、ぜひ活用してしまいましょう!
自分でできる応急処置:簡易まとめ
チェックした結果、すでに『被害が出ている』ような箇所が見つかった場合…この場合は、被害を少しでも抑えるために『応急処置』を実施しておいた方がいいでしょう。
こちらに、すぐにできる簡単な応急処置を書いておきます。
- ブルーシート
- 防水テープ
- 窓枠や排水溝の掃除
- コーキング補修
※ただし、これらはあくまでも『応急処置』。完全に直るわけではもちろんないので、しっかり修理する場合は専門業者に依頼しましょう。
応急処置1.ブルーシート
安価な万能選手ともいえるブルーシート。家の様々な箇所に使えます。
使い方は単純で
- ひび割れ・破損がある箇所に被せて、雨水の侵入を防ぐ
- 保護したい場所に被せて、雨水で湿るのを防ぐ
といった使い方ができます。
屋根や外壁、バルコニーの床など、ひび割れや破損がある箇所にかぶせてしまえば、とりあえずは雨の侵入を防ぐことができるでしょう。
また、天井裏ですでに濡れている個所があれば、そこにかぶせてあげるのもいいですね(木材は非常に湿気に弱く、。すぐに腐ってしまいますので…)。
ただし、屋根に使用する場合、安全を確保できないのであればやめておきましょう。
応急処置2.防水テープ
ホームセンターで簡単に手に入る便利グッズ。
小さいひびであれば、ブルーシートよりもこちらのほうが手軽ですね。
破損が起きている個所に貼っておけば、とりあえず雨水の侵入を防ぐことができますよ。
応急処置3.排水溝の掃除
排水溝は、雨水を正常排水するために必須の設備。
ここがゴミで詰まってしまうことで本来は発生しない水たまりが発生し、小さなヒビなどからも雨水が侵入しやすくなってしまいます。
屋根やベランダ、バルコニーなどの排水溝が詰まっているようなら、しっかりと掃除しましょう。
応急処置4.コーキング補修
少し上級編ですが、コーキング補修も自分で行うことが可能です。
必要な用具はホームセンターで簡単に手に入ります。
防水テープなどで塞ぐのが難しい大きさの破損は、こちらで修理するのが一般的です。
が…やはり少し難度が高めなので、最終手段にした方がいいでしょう(下手な補修をすると、そのあとが大変になります)。
雨漏りは予防のための自己チェック:まとめ
いかがでしたか?
雨漏りは起きても直すことは可能ですが、一番いいのはそもそも『発生させないこと』。
それには事前の予防が必要不可欠なので、この記事の情報を参考に雨漏りを事前に防ぎましょう!
この記事が、あなたの大切な家屋を守るために役立つことを願います!
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