木ならではの暖かみのあるデザインで、リラックス効果もあり、最近は一般の住宅としても人気を高めているログハウス。
一般住宅と比べて、自分で細かいメンテナンスを行う必要も多くなりますが、手がかかる分、愛着が湧く方も多いようですね。
そんなログハウスですが、一般住宅と共通して避けては通れないのが雨漏り被害。
じつは…ログハウスは一般住宅と比べても『雨漏りしやすい建物』なんですね。
最近ではDIYも盛んになり、雨漏りに関しても自分で修理をしようという方は非常に多いのですが…正直、私たち雨漏りの専門家の意見としては『ログハウスの雨漏りを自分で対処するのはオススメできない』のが素直な気持ちです。
なぜなら、純粋に『一般の家屋に比べて、雨漏り対処の難易度が高い』から!
というわけでこの記事では、『ログハウスの雨漏り修理を自分でするのはオススメできない理由』と『正しい対処』についてまとめました。
ログハウスを保有しているような方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ログハウスが雨漏りしやすい理由

まずログハウスが雨漏りしやすい理由と、その構造について理解してもらう必要があります。
なぜログハウスは雨漏りしやすいか…それは、ログハウスには構造上『家屋の隙間』が多い(できやすい)といった特徴があるからです。
そもそも雨漏りは家屋のひび割れや建物の隙間などから雨水が浸入してしまう現象。家屋における隙間というのは『雨漏りの弱点』とも言えます。
ですから、構造的に隙間が多い・できやすいログハウスは、雨漏りしやすい建物と言えるんです。
なぜログハウス隙間が多いのか
その理由は以下の3つです。
- ログハウス独特の構造
- 窓枠の設置方法
- 天然の木材ならではの特徴
理由1.ログハウス独特の構造
主にログハウスは丸太を積み上げて構成される丸太組工法を用いられます。
特に部屋の角など、丸太が交差する部分に入れる刻みのことをノッチといって、このノッチに丸太をフィットさせて組み合わせていくという方法で作られています。
この独特な作り方が、一般家屋との大きな違い。どうしても組み合わせた部分に隙間ができやすくなります(もちろんできる限り隙間のないように組み合わせてはいますが…)
一般住宅と比べると…
一般的な住宅は柱や梁といった骨組みに外壁材となるパネルなどを組み合わせて構成されます。
そのため、パネルの継ぎ目などは隙間ができてしまいますが、コーキング(隙間を埋める素材)によってしっかりと埋められます。
さらに外壁材・防水シート・断熱材・内壁と何層にもなっているので、たとえ隙間が空いてしまってもすぐに雨漏りすることは少ないんですね。
それに対して丸太組工法では丸太を重ねて組み合わせるシンプルな構造。
外壁も内壁も丸太一本づつが兼任しているので、隙間から雨が浸入したらダイレクトに室内に雨漏りが発生してしまうという訳です。
理由2.窓枠の設置方法
一般的な住宅では窓枠は外壁材に直接取り付けて設置します。ですが、ログハウスの場合は同じように直接設置することが構造上不可能。そのため、
- 外壁材→板→窓枠
というように、間に板を一枚かませて設置する方法になります。この『間にかませた板』があることによって、どうしても隙間ができやすくなってしまうんです。
理由3.天然の木材ならではの特徴
ログハウスは天然の木材を使います。それが独特の暖かみや質感を生み出すんですが、天然素材ならではの特徴が隙間を発生させやすい要因にもなっています。
じつは、天然の木材は水分を吸えば膨張し、乾燥する際には収縮をする特徴があるんですよ。
そのため、経年によって収縮を繰り返すことにより、もともとピッチリ組み合わせていた箇所にも徐々に隙間が開いてくることになります。
最初はピッタリ設計されたログハウスでも、時間の経過により、変化が起こり、隙間が発生してくるという訳ですね。
ログハウスの雨漏り修理を自分でするのはオススメできない2つの理由

ログハウスの構造と雨漏りしやすい理由を理解いただいたところで、本題に入っていきましょう。
私たちがログハウスの雨漏り修理を自分でするのをオススメしない理由は2つです。
理由1.ログハウスの雨漏り修理難度は高め
ログハウスの雨漏り修理は、基本的に隙間にコーキング剤(隙間を埋めるゴム状の素材)を施す作業が中心になります。この作業自体はそれほど難しい話ではありません。
ただ、最初にも説明しましたように、そもそもログハウスは『雨漏りしやすい構造』であり、そもそも隙間が多い建物です。
ですから、ぱっと見の隙間が『本当にその雨漏りの原因だったか』は、正直プロでも特定するのが困難なケースなんですよね(汗)。
隙間っぽい部分をすべてコーキング材で埋めてしまう…というわけにもいきませんし『修理したつもりでも直っていない』『他にも雨漏りに直結しそうな問題点があるのを見過ごした』ということはよくある話。
このような理由から、『ログハウスでの雨漏りをご自身で対処する』のは難易度が高いと言えます。
理由2.修理に使用するコーキング剤が特殊
一般住宅で使用する物と比べると、ログハウスでのコーキング少し特殊。
一般住宅のコーキング剤は伸縮性が強くある必要はありませんが、ログハウスでは伸縮性の強い専用の物が必要になってきます。
先ほどもご説明しましたが、木材は収縮します。一般住宅で使用される通常のコーキング剤は伸縮性が強いものではありませんので、こちらを使用してしまうと…
コーキング材で隙間を埋める→雨漏りが止まる→木材が収縮・膨張を繰り返す→コーキング材も引っ張られて破損→また雨漏り…
という流れが起きます。実際、ご自身で『通常のコーキング材を利用して』修理したことで、せっかく手間をかけて対応したのにすぐ再発してしまい、私たちのところにご相談が来るようなケースも…。
ログハウスの雨漏り、正しい対処法は?

残念ながら、ログハウスはここまで説明した通り
- そもそもログハウスは雨漏りしやすい建物
- 経年により隙間が発生するのは避けられない
- 原因特定&対処が難しい部類に入る
- コーキング剤が一般的な物と比べて特殊
と、自分で修理という観点では最も難易度の高い建物。残念ながら、雨漏りをしっかり止めたいのであれば、できる限り『雨漏り修理業者』に相談することをおすすめします。
ログハウスの雨漏り放置は最悪の結果に…!
「自分で修理するのは難しいのか…じゃあ、とりあえずこのまま置いておこうかな。そんな大きな被害も出てないし」
もしもこのようにお考えなら、それは非常に危険です!ログハウスのメインとなっている木材が雨漏りで湿った状態になると、
- 木材の腐食
- シロアリ被害の発生
と、重大なトラブルに繋がる可能性が非常に高くなります。これらの被害は一気に進行するうえ、一度発生すると対応は非常に困難。場合によっては『リフォーム』『立て直し』という最悪の状況にまで発展してします。


無料の相談/現地調査を有効活用しましょう!
業者に相談…となると、どうしても費用が気になりますよね。
たしかに修理となれば料金はかかりますが、優良な雨漏り修理業者であれば相談から現地での簡易調査、お見積りは無料でのご対応が基本。『相談したから』『確認してもらったから』お金がかかる、ということはありません。
仮に修理をするにしても、被害が小さければその分費用も少なくなります(前記したような腐食被害、シロアリ被害が発生すると、正直『桁が1つ変わる』くらいの損害になります)。
雨漏りは放っておくとどんどん被害は大きくなるため、何のメリットもありません。雨漏りは早めの行動が大事。
雨漏りが起きたのであれば、まずは業者の無料相談/現地調査を有効活用してみましょう。

ログハウスの雨漏り修理は自分でできる?:まとめ

では最後にここまでの内容をまとめていきましょう。
ログハウスで雨漏りがしやすい理由は…⬇
︎ログハウスは構造上、一般家屋に比べて『隙間ができやすい』特徴があるから!
ログハウスで隙間ができやすい3つの理由…⬇︎
- ログハウスは構造上隙間ができやすい
- 構造上、窓枠に隙間ができやすい
- 天然の木材だから収縮が起き、隙間が発生する
ログハウスの雨漏り修理を自分でするのはオススメできない2つの理由…⬇︎
- ログハウスの雨漏りは難度が高い部類だから
- 使用するコーキング剤が特殊だから
ログハウスは木材中心でできているため、雨漏りの放置は非常に大きな被害に繋がります。「今は被害も少ないから…と放置するようなことは絶対に避け、雨漏り修理専門業者の無料相談/無料現地調査をしっかり活用しましょう!
ログハウスは確かに一般家屋に比べて隙間が発生しやすく、雨漏りのリスクが高いというデメリットはあります。ですが、そんなデメリットをカバーするほど、ログハウスにはログハウスでしか感じられないメリットがありますよね。
この記事の知識を参考に、ぜひログハウスと上手に付き合っていきましょう。
ㅤ

