軒が短い家は雨漏りリスクにご用心【そのリスクは5倍!?】

この記事でわかるポイント!
  • 軒のない『軒ゼロ住宅』の隠れた雨漏りリスクが分かる!
  • 雨漏りを防ぐため、注意すべきポイントが分かる!
  • 自分でできるセルフチェック&応急処置が分かる!

最近は軒が短い(もしくは、ほぼ軒がない)家、最近では多く見かけるようになりました。

このような家は『軒ゼロ住宅』と呼ばれ、スッキリした見た目と日当たりのよさ、そして居住スペースを広く取れるため人気となっています。

しかし、この軒ゼロ住宅は、通常の家屋に比べて『圧倒的に雨漏りリスクが高くなる』というデメリットがあることをご存知ですか?

軒があるのとないのでは、雨漏りリスクは段違いです。

というわけでこの記事では、軒が短い家と雨漏りの関係性、注意して欲しいポイントまでまとめてみました。

目次

軒ゼロ住宅の基準とは?

あらかじめ、この記事でお話している『軒ゼロ住宅』の基準をお伝えしておきます。

軒ゼロ住宅の基準
  • 軒の出(軒が出ている部分の長さ)が250mm以下
  • ケラバ(屋根において雨樋がない方向に飛び出している部分)が150mm以下

    この基準に当てはまるようなら、あなたの家は軒ゼロ住宅と呼ばれる部類になります。

    いわゆる『雨漏りリスクが非常に高い』住宅ということになりますので、しっかりと注意する必要があります。

    軒ゼロ住宅は雨漏りリスク5倍!?

    日本住宅保証検査機構という、住宅の瑕疵担保険を取り扱う機関が調べたデータでは、一般的な長さの軒のある住宅に比べて、軒が短い住宅は雨漏りリスクが5倍にまで跳ね上がるそうです。

    実際に発生している雨漏りでも、雨水の侵入箇所の7割以上が軒がない、または短い箇所ということも判明しているんですよ。

    もちろん、軒ゼロ住宅だからといって絶対雨漏りするわけではありません。が、それだけ軒が短い家では雨漏りのリスクが高いということを意識しておいてください。

    軒が短い家で雨漏りが起こりやすい理由

    結論から言うと、軒が短い家は家屋に直接日差しや雨が当たるようになり、劣化が激しくなってしまうためです。

    そもそも軒というものは、家を守る傘的な役割を担っています。

    軒があることによって家屋が日差しや雨から守られているんですが…軒が短い家は、日差しや雨が直接家屋に当たるため、劣化が激しくなってしまうんです。

    劣化が進むと外壁の塗装が剥がれたり、ひびなどの破損が発生。その結果、雨漏りにつながってしまう、というわけです。

    たとえば…雨が降っている中、傘を差さないor小さな傘しか差さなければ、どうなるでしょう?身体はびしょ濡れになってしまいますよね。

    日傘がすごく小さかったら、どうなるでしょう?…普通に身体に日光が当たってしまいますよね。

    軒が短い家もこれと同じ。傘をさしている状態とは比べ物にならないほど、常時日光や雨水に晒されている状態になるわけです。

    その劣化スピードが軒がある住宅に比べて圧倒的に早いのは、ある意味当然ですよね。そう考えると、軒が短い家で雨漏りが起こりやすいのは、全然不思議な話とも言えません…。

    軒が短い家で注意すべき4つのポイント

    軒が短い家では家屋の劣化が進みやすいとご説明しましたが、そのなかでも特に注意してほしいポイントは以下の4つ。

    軒ゼロ住宅の要注意ポイント!
    1. 外壁
    2. 屋根と外壁の取り合い部分
    3. 雨樋

    注意すべきポイント1.外壁

    軒がないことにより外壁に直接日差しや雨が当たり続けると、どんどん劣化が進んでしまいます。

    その場合、屋根よりも気をつけたいのが『家屋の外壁』です。日光や雨水に晒されると、外壁自身だけでなく、コーキング(隙間を埋めているゴム状の柔らかい液体)も劣化してヒビが入ってしまいます。

    このヒビから雨水が侵入し、雨漏りが起きてしまうんです。

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    木造の住宅は腐朽にも注意!

    木造住宅の場合は、コンクリート材質の家屋と比べて腐朽(腐る)しやすく、そのスピードも速いといった性質があります。

    木材にとって雨漏りは致命的で、一気に腐食が進んでしまうんですよ。

    木が腐ってしまうと、家屋の耐久性が著しく低下してしまいます。こうなると、ちょっとやそっとの修理では直らないことも…。

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    注意すべきポイント2.屋根と外壁の取り合い部分

    取り合いとは、違う部材同士をつなぎ合わせた部分のこと。

    こういった取り合い部分は構造上隙間ができやすく、まさに家屋における『弱点』のようなものです。

    軒があれば、よほどの強風でもない限り、取り合い部分に雨が当たることはそうそうありません。

    が、軒ゼロ住宅では、風がなくても直接雨が打ち付けられる状態になってしまいます。そのぶん、この取り合い部分の雨漏りリスクが一気に高まるんです。

    注意すべきポイント3.窓

    じつは最も多い雨漏り発生箇所なのがこの窓。

    窓は、構造的に『外壁に穴を開けて設置している』ので、その分隙間が多いんです。

    もちろん防水施工はしっかりされているのですが、どうしても他の箇所より雨漏りリスクが高くなってしまうんです。

    このように雨漏りリスクがもともと高い箇所なのに、軒が短かければ…さらに多くの雨水に晒されることになります。そのぶん、窓からの雨漏りにはより注意が必要です。

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    注意すべきポイント4.雨樋

    屋根に落ちた水は軒を通過して雨樋へと流れます。そうして雨樋に流れた水は最終的に地上、または下水に排水されるので、家屋に直接雨水が当たることは基本ありません。

    このように、通常は屋根に落ちた雨水が家屋に直接当たらないように『軒』があり、さらにそこからこぼれる雨水を受け止める『雨樋』がある、という2段構えとなっています。

    この作りのおかげで、雨樋に不具合があって雨水が溢れてしまったとしても、軒の長さがあれば家屋に当たる雨水は最小限に抑えられるのですが…軒が短い家では話は別。

    雨樋から溢れた雨水は直接家屋に当たってしまうので、外壁の劣化などにもつながり、破損があった場合はそこから雨漏りしてしまうんです。

    雨樋自体、目立たちにくい存在で軽視しがちですが、じつは結構重要な働きをしているんですね。

    軒が短い家は、定期的なチェックが大事!

    ここまでで、軒が短い家は雨漏りのリスクが高いということはご理解いただけたでしょうか?

    もしかしたら「軒ゼロ住宅なんてやめておけばよかった」なんて思う方もいるかもしれませんが、嘆く必要はありません、

    たしかに雨漏りは起きやすいですが、事前に異常がないかチェックをして、被害を最小限に抑えるための対処をしてしまえばいいんです。

    というわけで、ここでは先程挙げた注意ポイント別に、簡単にできるセルフチェックと応急処置をご説明しますね。

    外壁のセルフチェック

    外壁そのもの、もしくはコーキングにひび割れがないか目視でチェックしてみましょう。

    もしも、外壁を触った時に手に白い粉が手についてしまうのなら、それも経年劣化のしるし。

    こういった症状が見られるのであれば、雨漏りが起きる可能性があるので注意してくださいね。

    外壁の応急処置

    ひび割れに関しては、自分でコーキング補修することも可能です。

    が、少し専門的な作業になってしまうので…オススメの対応方法は防水テープ。ホームセンターなどで簡単に手に入りますし、失敗しても剥がすのも簡単です。

    (コーキングは、失敗するとちょっと面倒くさいので…)

    ひびがあった箇所を防水テープで塞いでやるだけで、小さなヒビなら応急処置として十分です。

    屋根と外壁の取り合い部分のセルフチェック

    取り合い部分は先程説明したとおり、家屋における弱点。

    そのため、ヒビが入っていると危険なので、コーキングを含めてそういった破損がないかチェックしましょう。

    また、取り合い部分には雨仕舞い(弱点部分に当たる雨を適切に排水するための施工)として板金が取り付けてある場合も。この場合、板金が浮いていたり剥がれていても雨は侵入しやすくなるため注意してください。

    高所作業になる為、できるだけ屋根には登らず双眼鏡などで確認してください。安全が確保されないチェックは危険なので止めておきましょうね。

    取り合い部分の応急処置

    板金の浮きが見られる場合、応急処置としてブルーシートを被せましょう。

    ひびが見られる場合は、外壁と同じように防水テープでの補修が簡単で効果的ですよ。

    窓のセルフチェック

    コーキングのひび割れもそうですが、窓周辺の外壁もチェック。周辺にヒビがあればそこが原因となって窓から雨漏りしてしまいます。

    また、窓枠のレールにゴミが溜まっていないか確認してみてください。

    レールには排水用の小さい穴があり、水が溜まらないようにそこから排水されるんですが、ゴミがあると水が溜まってしまい、雨漏りしやすくなるんですね。

    窓の応急処置

    窓も同じように防水テープが効果的ですし、できるようならコーキング補修をすればとりあえずは安心です。

    また、ゴミがレールに溜まっている場合は必ずキレイに掃除をしておきましょう。

    雨樋のセルフチェック

    雨樋は破損はもちろん、歪んだり変形してしまっていると水が溢れてしまうので、目視で確認してみましょう。

    また、家のすぐそばに木が生えている、または近くに公園や林がある場合は要注意。落ち葉などが雨樋に溜まりやすく、その結果排水機能が働かなくなり、雨漏りのリスクが高くなってしまいます。

    ※破損やゆがみはある程度下から双眼鏡で見るようにしましょう。特に雨樋の詰まりを覗く場合は脚立を使う音になるでしょうから、十分に気を付けてください。決して無理はしないこと!

    雨樋の応急処置

    小さなヒビは、他と同じく防水テープで補修。

    また、雨樋にゴミが溜まっている場合はキレイに掃除してあげてください。そのうえで水を流してあげて、もし流れ出てこないようなら竪樋(雨樋の配管)にも詰まっている可能性があります。

    その場合は長い棒で押し込んであげましょう。それで再度水を流して、正しく流れるか確認してみてくださいね。

    軒が短い家は雨漏りリスクにご用心:まとめ

    ではここまでの内容をおさらいしましょう。

    軒が短い『軒ゼロ住宅』の雨漏りリスクは…5倍!定期的なチェックが大切!

    軒ゼロ住宅の要注意ポイント!
    1. 外壁
    2. 屋根と外壁の取り合い部分
    3. 雨樋

    軒が短い家(軒ゼロ住宅)は、確かに雨漏りのリスクの高い構造ではあります。

    ですが、そのぶん日当たりもよく居住スペースも広かったりと、様々なメリットがあるのも事実。

    雨漏りはたしかに厄介ですが…しっかり対処して、被害を最小限に抑えてしまえば、恐れることはありません。

    ぜひこの記事の情報をこれからの生活に役立ててくださいね。

    チェックしたら、すでに雨漏りしていたっぽい…

    そんな時は、ぜひ私たちにご相談ください。

    私たちはこの道25年の雨漏り修理業者です。これまでに数多くの雨漏り修理を行い、軒が短い家の対応ももちろんありました。

    この長年の経験と技術には絶対の自信があり、あなたの家で雨漏りの心配がないか、しっかり診させていただきますよ!

    相談から現地確認、お見積りまで完全無料ですので、ぜひお気軽にご連絡くださいね。

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