- 鉄筋コンクリート住宅に住んでるのに、雨漏りしてる!
- 鉄筋コンクリートって丈夫で水に強いんじゃないの?
- こんな時、どう対処したらいいのか知りたい!
こういった質問がちょくちょくあります。
『鉄筋コンクリート』という響き、すごく頑丈なイメージですよね。一般的に鉄筋コンクリート住宅というと、木造住宅よりも
- 丈夫
- 長持ち
- 防水性が高い
みたいな印象がありませんか?
このようなことから『鉄筋コンクリートの住宅なら、木造と違って雨漏りとは無縁!』という認識の方がよくいらっしゃるのですが…それは大きな勘違いです。
鉄筋コンクリート住宅でも、木造と同じように雨漏りは起きてしまいます。
ですが『鉄筋コンクリート住宅 = 雨漏りと無縁』という印象を持つ人が多いため、軽微な雨漏りだと『雨漏りに気づかない(認識しない)』ケースが結構多いんですよ。
じつは長期間にわたり雨漏りを放置してしまっていた…!という状態になってしまう住宅も少なくありません(特に最近は昔ながらの木造住宅でなく、鉄筋コンクリートで住宅を作る方も多いですから…)。
そこでこの記事では
- なぜ鉄筋コンクリートでも雨漏りするの?
- 鉄筋コンクリート住宅で雨漏りしたらどうすればいい?
をまとめました!
鉄筋コンクリートで雨漏りが起きる主な原因

鉄筋コンクリートで雨漏りする原因は、圧倒的に『破損』が多くなります。
『鉄筋』『コンクリート』 = 『強い』という印象があるでしょうが、いわゆる『経年劣化』が普通に起こりますからね。
(古い学校やビルとかにヒビが入ってる状態とか、見たことありませんか?)
ひと言で『破損』といっても、その内容は大きく次の2つに分かれます。
原因1.コンクリートの『継ぎ目』が破損
鉄筋コンクリート性の建物には水の侵入を防ぐために
- 防水層
- シーリング(コンクリートの継ぎ目を埋める素材)
という施工がされています。
ですが、防水層の寿命はおよそ10年前後、シーリング材の寿命は早くて3〜5年、長くて10年ほど、と言われています。日光や雨風によるダメージによって徐々に経年劣化が進み、これらの継ぎ目用破損してしまうんですね。
これらの継ぎ目素材が破損することで、隙間から雨漏りが発生するケースです。
原因2.コンクリート『自体』の破損
コンクリートは非常に頑丈なイメージがあるとかと思いますが、やはり『何かがぶつかった』などの外的要因によっても壊れてしまうことがあります。
(大型の台風が来たときなどは、風で飛ばされたものがぶつかったりして意外に大きなダメージを受けているものです。凄まじい速度で物が飛ばされますからね…)

また、コンクリートも一般的な物質と同じように
- 温度が高くなれば膨張し
- 温度が低くなれば縮小する
という性質を持っており、天候や気温によって目に見えないレベルの膨張・収縮を繰り返しています。
長年この影響を受け続ければ、コンクリートでもいずれはひび割れが発生してしまいます。
この『破損したコンクリートの隙間』から雨水が侵入し、雨漏するケースですね。
“築年数の浅い”鉄筋コンクリート住宅は雨漏りしない?

ここまでで、鉄筋コンクリート住宅が雨漏りする大きな原因が『経年劣化』ということはご理解いただけたかと思います。
じゃあ築年数の浅い、いわゆる『新しい鉄筋コンクリート住宅』なら、雨漏りは無縁なのか?
たしかにコンクリート自体は丈夫で水に強く、建てたばかりの鉄筋コンクリート住宅が雨漏りすることは普通ありません。
避けては通れない原因:施工不良の可能性…
住宅を『建てる』さいに、人為的なミスが発生しない保証はどこにもありません。
- 施工業者のミス
- 手抜き工事
など、様々な『人的要因』によって築年数が浅い住宅でも雨漏りは発生します。
逆に『鉄筋コンクリート住宅は丈夫で、築年数が浅い間は雨漏りしない』という意識を持っているぶんだけ、雨漏りに気づくのが遅れ、長い間放置していた…なんてことも。
たとえ築年数が浅い鉄筋コンクリート住宅でも、雨漏りしないという保証はどこにもないことをしっかり認識しておきましょう。
鉄筋コンクリート住宅で雨漏りを放置すると…

雨漏り自体、放置すると非常に大きな影響があるのですが…とくに鉄筋コンクリートの場合、雨漏りを放置していたことで『コンクリート内部の鉄骨が錆びてしまう』という問題があります。
鉄筋コンクリートの住宅にとって、鉄骨はまさに『骨』。ここが雨水で錆びて腐食してしまうと、家屋に与えるダメージは計り知れません…!
【注意】鉄筋コンクリート住宅の構造は『雨漏りしやすい』!?

鉄筋コンクリート住宅は見た目がオシャレなので、最近では住宅を建てる際に木造でなく鉄筋コンクリートを選ぶ方も増えてきています。
ただ、一応覚えておいて欲しいことが…。
鉄筋コンクリート住宅でよく使われている『構造』が、じつは『雨漏りが起きやすい』構造だったりもします(もちろん、作っている方も分かっているので、徹底的に雨漏り対策していると思いますが)。
鉄筋コンクリート住宅の構造において特に注意するべきポイントが『屋根』です。
鉄筋コンクリート住宅の屋根は『陸屋根(ろくやね)』と呼ばれる、フラットで傾斜のない構造となっているものが一般的です。この陸屋根が、雨漏りしやすい構造なんですよ。
- 水が溜まりやすい構造
- 軒がない
(陸屋根に関する内容はこちらの記事でも詳細に説明していますので、詳しくはこちらをご覧ください)

鉄筋コンクリート住宅の雨漏り補修方法(応急処置)

では、残念ながら『すでに雨漏りしてしまっている』場合、どのような流れで対処すれば良いのでしょうか?
その際は、まずご自身でもできる対処で応急処置を行いましょう。長く雨水が侵入すればするほど、家屋のダメージに繋がりますからね。
鉄筋コンクリートの雨漏りに気づいた場合に行える応急処置は、大きく次の2つ。
- 屋根の排水溝をチェック
- 壁のヒビをチェック
その1.屋根の排水溝をチェック
まずは陸屋根の排水溝をチェックしてみましょう。
陸屋根はその構造上、排水溝が詰まってしまうとうまく排水が行われず、屋根に水が溜まってしまいます。屋根に水が溜まってしまえば、わずかな隙間からでも雨水が侵入する可能性が高くなりますね。
もしそのような状態だったのであれば対処は簡単。排水溝を綺麗に掃除し、屋根に水が溜まらない状態に戻してあげましょう。
非常に単純ですが、実際これだけで雨漏りが止まることも少なくありません。
(定期的に排水溝の掃除を心がけるようにすればなお安心です)
その2.壁のヒビをチェック
次に、陸屋根や外壁にひび割れが起きていないかをチェックしてみましょう。小さなヒビを補修するための材料は、いわゆるホームセンターでも手に入る素材がたくさんあります。
(大きな損傷では難しいですが)小さなヒビ程度ならば、ご自身で応急処置することもできますよ。
- 防水テープなどで一時的に塞ぐ
- コンクリート粉を吹きかける補修スプレーを使用する
- 隙間を埋めるシーリング材で一時補強する
これらの一時対処でも、雨水の侵入を一時的にシャットアウトするには十分役立ちます。
ですが…屋根や壁をご自身で応急処置する際には、安全に十分配慮して対処してくださいね!
鉄筋コンクリート住宅の雨漏り補修(恒久対応)

ここで、ひとつ忘れないで欲しいポイントがあります。
それは…応急処置で雨漏りが止まらなくても『止まっても!』しっかりと雨漏り修理業者に診てもらうことです。
というのも、今回ご紹介した対処法はあくまでも応急処置レベル。雨漏りが止まったとしても、一時的に止まった可能性が高く、再発してしまう危険があります。
さらに…雨漏りに気づいたということは、すでに『住居内に雨漏りの痕跡を発見できている』ということ。
新しい雨水の侵入が防げているとはいえ、すでに侵入した雨水が家屋にどれだけのダメージを与えているかは、しっかりと調査しなくては分かりません。
将来的に安心して暮らしていくためにも、必ず雨漏り修理業者に相談して診てもらいましょう。
なぜなら…そもそも『相談』と『簡易チェック』はお金がかからないから!
雨漏り修理の相談・簡易現地調査は無料対応が基本!
「業者に頼むとお金が高そうで心配…」
と思う方は多いですよね。ですが、その心配は無用です。
あまり知らない方も多いのですが、基本的に雨漏り補修事業は『相談~現地での簡易調査・見積もり』までは無料で行うケースがほとんどです。
ですから、今回のような『雨漏りに関する相談』や『現地に簡易チェックに来てもらう』こと自体にデメリットがないんですね。
悪徳業者に注意!
- 簡単な現地訪問で金銭を要求するケース
- 勝手に修理して、修理費用を請求するケース
- 高額の見積もりを提出するケース
このような、いわゆる『悪徳業者』被害も存在するので注意が必要です!
優良な雨漏り修理業者のチェックポイントはこちらの記事にまとめていますので、こちらをしっかり確認のうえ、信頼に足る業者かどうかを判断してくださいね。

鉄筋コンクリート住宅で起きる雨漏りの原因と対処法:まとめ

最後に今回の内容をまとめておさらいしていきましょう。
- 鉄筋コンクリート住宅は経年劣化で雨漏りが起きる
- 鉄筋コンクリートの建物は、構想上『屋根』に注意!
- 築年数が浅いのに雨漏りしている場合は施工不良の可能性…
- 雨水の侵入を防ぐために(可能なら)まずは応急対処!
- 必ず恒久対処として『専門業者に連絡』を!
木造住宅とくらべて丈夫な作りの鉄筋コンクリート住宅ですが、建物の構造上、経年劣化が進みやすく、どうしても雨漏りは起きてしまうもの。
この記事の情報を活かし、雨漏りをしっかり直して、快適な暮らしを送ってくださいね。
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