- なぜ、陸屋根は普通の屋根より雨漏りしやすいのか?
- 陸屋根で雨漏りが疑わしい場合に行うべき対処は?
元々はマンションやビルに採用されていた陸屋根(ろくやね)ですが、デザイン性や機能面での人気もあり、最近では一般の住宅でも見かけることが多くなりました。
そんな人気の陸屋根ですが一般の屋根と比べて決定的な違いがあり、残念ながら雨漏りが起きやすいといったデメリットがあります。
雨漏りは場合によっては、家を腐らせたり、湿気によるカビで家族が病気になるなどの被害がでることも少なくありません。
そこでこの記事では
- 陸屋根と一般的な屋根の決定的な違い
- 陸屋根から雨漏りが起きる理由
- 陸屋根で雨漏りしてしまった時の対処の流れ
数分で読める内容ですので、ぜひ読んでみてください。



陸屋根と一般的な屋根の決定的な違い

冒頭でも説明した、陸屋根と一般的な屋根との違い。
それは、陸屋根には普通の屋根と違って『傾斜がない』ということ。陸屋根はフラットで傾斜がない作りのため、デザイン性に優れ、屋上菜園など趣味の面でも楽しめるメリットがあります。
その反面、雨が降った時に水が逃げにくく、陸屋根に溜まりやすいといったデメリットがあるんです。
一般的な屋根は傾斜があるので、水はけがよく、溜まりにくいから雨漏りしにくいという作りになっています。
それに対して陸屋根は傾斜がないため、水がその場に留まってしまう時間が長くなり、雨漏りが起こりやすいという訳ですね。
陸屋根で雨漏りが起きやすい理由

では、ここからは陸屋根から雨漏りが起きる理由を、より具体的に説明していきますね。
陸屋根で雨漏りが起きる原因は、大きく分けて次の3つです。
- 排水溝の詰まり
- 経年劣化
- 施工不
陸屋根から雨漏りする理由.1:排水溝の詰まり
先程『陸屋根は水が溜まりやすい』と言いましたが、基本的に屋根には水が逃げることができるように排水溝が設置されています。つまり、この排水溝に問題が発生してしまうと、うまく水を逃がすことができずに雨漏りが発生してしまうわけです。
屋根は吹きさらしのため、風によって落ち葉などのゴミが運ばれてきたり、虫が飛んできてしまうことが多くあります。
そのため、運ばれてきたゴミや虫の死骸が排水溝に溜まり、水の流れがせき止められて、水の逃げ場がなくなってしまうことがあります。
この状態になってしまうと、溜まった水がわずかな隙間から侵入してしまい、雨漏りにつながってしまいます。冒頭でお話したように、陸屋根はフラットで傾斜がないのでもともと水が溜まりやすいぶん、排水溝のつまりによる雨漏りに繋がりやすいんですね。
陸屋根から雨漏りが起きる理由.2:経年劣化
雨漏りは陸屋根に限らず、経年劣化によって起きる場合が非常に多いのです。
経年劣化によって外壁など様々な場所にひび割れや塗装剥がれが起こることで、そこから雨漏りしてしまいます。そのなかでも、陸屋根は特に劣化がしやすいといった特徴があります。
ここでは陸屋根の中で、特に経年劣化が起こりやすい箇所をそれぞれ説明していきますね。
陸屋根の床部分
まずは陸屋根の床部分。
これは先程説明した通り、陸屋根には傾斜がないため、水が溜まりやすいから…ですね。
ちなみにもうひとつの理由として『人が歩くことが多い』から。陸屋根はその形上、洗濯物を干したり屋上菜園など、色々と活用される方が多いですよね。この場合、当然ながら『屋根の上を人が歩いている』状態が発生します。
そうなると、人が直接歩いたぶん床が擦れて塗装が剥がれやすくなります。結果として雨漏りしやすくなってしまう、という訳です。
陸屋根の手すり壁
『陸屋根から人が落ちないように』という、重要な役目を持った手すり壁。ここも実は雨漏りが起こりやすい危険ポイント。
手すり壁は陸屋根のなかでもとくに雨風の影響を受けやすい箇所。他と比べて劣化が激しいといったリスクがあります。
そのようなリスクがあるので、建設時には基本的に笠木(手すり壁の、その最上部にかぶせる仕上げ材)を設置して防水対策をしています。
ですが、笠木と手すり壁のすきまを埋めて、防水するための素材(シーリング材)の寿命は早くて3年、長くても7年ほどしか保ちません。
しかも、先程説明したように雨風の影響を受けやすいので、その分劣化が激しく、ひび割れが起こりやすいのです。
傷んでしまったシーリング材の隙間や劣化にて発生したひび割れから水が浸入して雨漏りが起きてしまう、という訳です。
陸屋根から雨漏りが起きる理由.3:施工不良
最初に、陸屋根は一般的な屋根と違って雨漏りしやすいと説明しましたよね。
これは『家を建てる業者なら絶対に知っていること』なので、そういったことにならないよう必ず防水工事がされています。ですから、新しい家屋ならそうそう雨漏りすることはないのですが…。
じつは、意外に多いのが『防水工事そのものの不備』による雨漏りの発生なんです。事実、私たちのところには『新築なのに雨漏りした!』という相談も少なくありません。
もしあなたの家が『まだ築年数が浅いのに雨漏りが起きている』のであれば、残念ながら施工不良の可能性もじゅうぶんにありえます。

陸屋根の雨漏り:対処の流れ

ここまでで、陸屋根から雨漏りが起きる理由はご理解いただけたかと思います。
では、次に『すでに陸屋根から雨漏りが発生してしまっている場合』における対処の流れをご説明しますね。
まずは排水溝のチェック&掃除
陸屋根で雨漏りした場合に、素人でもできること。それは『排水溝のチェック』です。
陸屋根から雨漏りが起きる理由1で説明したように、ゴミや虫の死骸で排水溝が詰まり、水が溜まって雨漏りしてしまうことがあります。
もし陸屋根の排水溝にゴミが溜まっているのなら、まず綺麗に掃除しましょう。排水溝詰まりが雨漏りの原因だったならば、それだけで雨漏りが一旦止まる可能性もあります。
ですが、大切なのはここから。これで雨漏りが止まったとしても、安心してはいけません!(もし雨漏りが止まらないのであれば、なおさらのこと)。
忘れずに雨漏り修理の専門業者に連絡!
これをやらない人が本当に多いのですが…雨漏りが止まらなくても、『止まっても』必ず雨漏り修理の専門業者に連絡を入れるようにしましょう。
というのも、雨漏りが発生していた時点で
- 雨水が侵入してくる経路は、すでに発生している!
- 雨水の侵入で、確実に『家屋へのダメージ』は発生した!
という問題が残っているからです。排水溝を掃除して水が溜まりにくくなった→雨漏りが止まった、としても『雨水が侵入しくる経路』は直っていませんし、家屋にどれだけのダメージが発生していたかも分かりません。
一度建物内部に雨水が入ってしまっているため、建築材が湿気によってダメージを受けています。この湿気を放置することで、木材がダメになってしまう可能性もあります…。

「うちは鉄筋コンクリートだから安心だよ!」と思っていても…鉄筋は、その強度は素晴らしいですが、水には弱いという現実があります…。

そしてなにより、そもそも『雨水侵入経路自体はそのまま』なので、雨漏りが再発してしまう可能性もあります…。

大きな問題になる前に、ちゃんと雨漏り修理専門業者に相談してみましょう。
お金を取られる心配はありません。
「雨漏りが止まらないならともかく、一応止まったなら業者に連絡しなくていいんじゃないの?」
「止まっている雨漏りに対して、調査だ、修理だで、お金かかっちゃうのが心配だし…」
と不安になるかもしれませんが…その心配は不要です。
というのも、雨漏り業者は現地の事前調査〜見積もりまで、無料でご対応するのが普通だから。相談しただけでは、お金は取られないのです。
調査した結果、もし『特に急いで何かしら対処する必要がない』のであれば、費用は一切かかりません。見積もりの内容を確認したうえで『今回は行わない』という判断を行うのも、もちろん自由。
ようは雨漏り専門業者に連絡したことによるあなたのデメリットは何もないということ。
ですから、実際に雨漏りが発生したにもかかわらず『雨漏り修理の専門業者を活用しない』という選択は、ハッキリ言って損なんですよね。
もちろん、世の中にはいわゆる『悪徳業者』的なものも存在するので、そこは注意していただく必要があります。
ちゃんとした雨漏り修理業者の選び方はこちらの記事にまとめてありますので、参考にしてください。

なぜ陸屋根は雨漏りが起こりやすいのか?:まとめ

では最後に、この記事のポイントをまとめておきましょう。
- 陸屋根は一般的な屋根と違って、傾斜がないから雨漏りしやすい
- 陸屋根の排水溝にはゴミや虫の死骸が溜まって、雨漏りが起きやすい
- 陸屋根の雨漏りは経年劣化によって起こり、特に床と手すり壁は要注意!
- 築年数が浅いのに、陸屋根から雨漏りするのは施工不良の可能性がある
- 今雨漏りしているのなら、まずは排水溝をチェック&掃除!
- 雨漏りの問題は終わっていない!一度雨漏り修理の専門業者に相談するべき!
陸屋根はデザイン性が高くて人気ですが、一般的な屋根より雨漏りしやすいデメリットがあります。陸屋根が雨漏りしやすい理由を理解し、正しい対処をすれば、これからも安心して暮らすことが出来ますね。
雨漏りが起きたとしても焦らずに、この記事の内容を実践すれば安心です!
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