サビに強いガルバリウム鋼板の屋根や壁で雨漏りが発生する原因とは?

ガルバリウム鋼板は、現代の日本住宅においてかなりの人気を誇る金属材。耐久性が高く、軽量で地震にも強いなどの理由から、屋根や外壁によく用いられています。

もしかしたら、その耐久性の高さから

  • 錆びることがない!
  • メンテナンスフリーだ!

といった話を聞いたことがあるかも知れません…が、残念ながら、ハッキリいって『大袈裟な表現』と言わざるを得ません(汗)。

ガルバリウム鋼板は確かにメリットが多く優れた素材ですが、デメリットもあります。しかも、雨漏りの専門家として言えば、決して『無視できないレベル』のデメリットです…。

ということで今回は、ガルバリウム鋼板を採用した屋根や外壁でも雨漏りが起きてしまう原因と対策についてまとめてみました。

目次

ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット

金属製のガルバリウム鋼板は人気なだけあって、メリットもたくさんあります。が、やはり少なからずデメリットもあるのが現実です。

まずはこのメリットとデメリットを知ってください(特に、デメリットは中々に致命的でもあります!)。

メリット

ガルバリウム鋼板の主なメリットは、次の3つ。

3大メリット
  • サビに強い
  • 耐久性に優れる
  • 軽量

まず、やはりサビに強い点。これは冒頭の部分でも少し書きましたが、『サビない』ではなく『サビに強い』なので勘違いしないように!

屋根によく採用される同じような金属製の素材にトタンがありますが、含まれている成分の関係上、ガルバリウムはトタンに比べても圧倒的にサビに強い特徴があります。

また、耐久性の面で言えば、トタンの耐用年数がおよそ10〜20年なのに対し、ガルバリウムは20年〜30年と、10年もの違いが出てきます。

また、ガルバリウムは非常に軽量な素材なので、地震などの災害が発生した際にも変形などが起こりにくいという特徴があるのもポイント。

雨漏りというものは基本的に『家屋の劣化による破損』から始まるケースが非常に多いもの。つまり、上記の3大メリットは、総じて非常に『雨漏りに対し優れている』と言えますね!

業者の”過大な情報”には要注意!

メリットを見てもらうと分かるように、サビに強く耐久性が高いというのは事実であり、ガルバリウム鋼板の非常に優れている部分と言えます。

しかし、これはあくまで『強い』だけであって、『劣化しない』ということではありません。

冒頭申し上げましたが、業者によっては「サビません!」「メンテナンス不要で楽ちん、経済的にも安心です!」という、都合のいい言葉を使ってくる業者がいます(汗)。

ですが、冒頭でも申したように、それはかなり過大な情報…。

当然ながら、ガルバリウム鋼板であっても、普通に錆びますし、壊れます…!その理由は、デメリットをご覧いただけば分かるはずです。

デメリット

ガルバリウム鋼板の主なデメリットは次の4つ(以外に多いですね)。

4大デメリット
  • 傷がつきやすい
  • 断熱性が低い
  • 遮音性が低い
  • 結露しやすい

このうち、断熱性&遮音性&結露に関しては、(雨漏りに関して言えば)そこまで大きな関連性のあるデメリットではありまません(もちろん、生活的に難を感じる、というのはまた別問題ですが)。

ただ…この4大デメリットのうち『傷がつきやすい』というデメリットが、ガルバリウム鋼板を採用した屋根や外壁の雨漏りにおいて、非常に重要なポイントとなってきます。

なぜなら、この『傷』が原因で、サビに強いはずのガルバリウム鋼板が簡単に錆びてしまうから(汗)!

ガルバリウム鋼板で雨漏りが起きる原因の大半は”サビ”!

サビに強いはずのガルバリウム鋼板…なのに、雨漏り原因の大半はサビ。矛盾した感じがしますが、事実なんですよね(汗)。

メリットでも挙げたように、ガルバリウムがサビに強いのは紛れもない事実。ではサビに強いにも関わらず、なぜガルバリウム鋼板の屋根や外壁でサビが発生してしまうのか?

そこには、以下の3大理由があるんですよ。

ガルバリウムが錆びる3大要因
  1. 傷からのサビ
  2. もらいサビ
  3. 腐食によるサビ

要因1.外的要因による傷からのサビ

ガルバリウムは軽量ゆえに、非常に傷が付きやすい材質です。

極端な話、強風で物が飛んできてしまって…というのはもちろん、『かるく物をぶつけてしまった』ぐらいの衝撃でも簡単に傷がついてしまうくらい、デリケートな素材なんですよ。

傷がついてしまうと、その部分をカバーしていたメッキも一緒に剥がれてしまい、ガルバリウムが剥き出しになってしまいます。この『剥き出しになった部分』が、サビの原因になってしまうわけです。

サビに強い ≠ サビない

しつこいようですが、再度…。材質的にも『サビに強い』という特徴がありますが、錆びないわけではありません。

ガルバリウムは『メッキ』&『材質としての特徴』で、非常にサビに強い素材なのですが…メッキが剥がれてしまうと、そのサビ特性は大きく下がってしまいます。

何もなければサビには強いのは事実。しかし、傷が付くことにより保護面であったメッキが剥がれ、サビが発生してしまうんですね。

車などもそうなんですが…だいたいサビが発生してるのって『ちょっとした傷から』だったりするものです。

特に外壁は要注意!

外壁は屋根と比べると、直接何かをぶつけやすいので傷をつけてしまうことが多くなります。

ガルバリウムは想像よりもかなり傷つきやすいので、外壁に採用している場合は傷を避けるのはなかなか難しいかも知れませんね…。

要因2.もらいサビ

ちょっと不思議な感覚かもしれませんが、他の金属材のサビが、ガルバリウムにがうつってしまう…とう現象が起こります。

たとえば、立てかけておいた自転車がサビていたり、サビた金属材のゴミなどを外壁に寄せて置いていたりすると、そのサビがガルバリウムに移ってしまうんですよ(汗)。

また、家の近くに工場や線路がある場合は細かい鉄粉が飛んできますよね。この鉄粉が屋根や外壁に付着し、その鉄粉がサビることによってもらいサビが発生する、なんてことも…。

要因3.接触腐食によるサビ

先ほどは『サビた金属が触れると…』という話でしたが、じつは、サビていない金属であったとしても、ガルバリウム鋼板に触れることでサビが発生することもあります(汗)。

これは『電食』といって、簡単に言うと『違う材質の金属同士が触れて水分が付着することにより電気が発生し、腐食してしまう』という不思議な現象によって発生します。

ガルバリウム鋼板に違う材質の金属が触れていて、そこが水に濡れたりするとサビの原因になってしまうこともあるんですね。

また、こういった接触腐食は金属だけでなく、木材でも同じような危険があります。木材の中に含まれる木酢液という酢酸の一種が、ガルバリウム鋼板を腐食させてしまうこともあるので注意が必要でしょう

【自分でできる】ガルバリウムの屋根や外壁に有効な雨漏り予防

ガルバリウム採用の屋根や外壁に雨漏りが発生するのは、大部分が『サビ』による影響。

つまり、サビ発生を抑えることができれば、必然的に雨漏り予防につながるというわけですよね。

そこで、普段の生活で気をつけておきたいのが以下の3つのポイント!

雨漏り予防につながる3大チェックポイント!
  • とにかく傷をつけない!
  • 他の金属や木材を接触させない!
  • 定期的に水をかける!

傷をつけない

ガルバリムの屋根や外壁において、雨漏りの原因となるのは、やはり傷の発生が中心。なので、『そもそも傷をつけない』ということが非常に大事になってきます。

特に外壁は直接触れる分、傷をつけやすいので、周辺に物を極力置かないようにしたりすること。

また、お子様がいるご家庭は、わざとじゃないにしろ遊んでいていつの間にか傷が…なんてこともあるので、十分に注意しておく必要があるでしょう。

当然ながら…屋根の上を歩く、などもかなり危険です(そもそも危険な行為ですが…)。

できるだけ金属や木材を接触させない

知らなければやってしまいがちですが、知っていれば対策は簡単ですよね。

ただし、自分は気をつけていても家族が知らずにやってしまっていた…なんてこともあるので、ご家族にも説明し、協力してもらう必要があるでしょう。

金属や木材の接触は、もらいサビや腐食サビの原因に直結します。

また、接触の仕方によっては傷の発生にもつながりかねないため、金属や木材は極力接触させないように注意しましょう。

定期的に水をかける

じつは、ガルバリウムのサビ予防に効果的なのが『水をかけること』です。

特にブラシなどでこする必要もなく、優しく水をかけるだけでOK!

むしろブラシで磨くなどはNG!傷がついてしまい、サビの原因になってしまいます!

ペース的には1年に1回ぐらいでもいいですが、周辺に海や工場、線路がある場合は潮風や鉄粉があるので2~3ヶ月に1回ぐらい行っておくとより効果的です!

高圧洗浄機はガルバリウムのへこみなど損傷の原因となりかねないので、使わないようにしましょう!

築年数が経過している場合は、業者による専門メンテナンスも視野に!

ガルバリウム鋼板の屋根や外壁は表面に塗装がしてあり、それによってより強固に守られています。しかし、その塗装効果も永遠ではないので、定期的に塗装メンテナンスは必要です(耐久年数が長いのでメンテナンス フリーを謳う業者もいますが、どんなものでもメンテナンスは必ず必要です)。

先に少しお話したように、ガルバリウムの耐用年数は早い場合20年ほど。ですから、築年数が15年〜ほど経過している場合は、業者に塗装メンテナンスを依頼することも視野に入れるといいかも知れません。

もしも実際に触って『手に白い粉がつく』という状態になっている場合、明確に塗装メンテナンスを必要としているサインになります。

すでに雨漏り被害が出ている場合…

この場合、塗装メンテナンスだけでは雨漏りを止めることができないケースが多くなります。

なぜなら、塗装は『防水効果の向上』といった効果は持ちますが、すでに雨漏りによって家屋が受けたダメージや、破損などによる家屋の損傷自体を直す効果はないからです。

すでに『雨漏り被害が出ている』という場合は、明確に『雨漏りに対する』対処が必要となってきます。このような事態にまで発展してしまった場合は、私たちのような雨漏りの専門家にご連絡ください!

記事まとめ

では、最後にここまでの内容をまとめていきましょう。

ガルバリウム鋼板の3大メリットは…⬇︎

3大メリット
  1. サビに強い
  2. 耐久性に優れる
  3. 軽量

ガルバリウムの4大デメリットは…⬇︎

4大デメリット
  1. 傷がつきやすい
  2. 断熱性が低い
  3. 遮音性が低い
  4. 結露しやすい

ガルバリウムを採用した屋根・外壁で雨漏りが起きる理由の大部分は…⬇︎

サビによる影響!

ガルバリウム採用家屋で雨漏りを予防するには…⬇︎

3大チェックポイント!
  1. とにかく傷をつけない!
  2. 他の金属や木材を接触させない!
  3. 定期的に水をかける!

いくら優秀で人気のあるガルバリウムを使った屋根や外壁でも、劣化もすれば雨漏りだって起こります。

『サビない』『メンテナンスフリー』というイメージを持っていた方は、この記事を機にイメージを捨てて、雨漏りが起きないようにしっかりとメンテナンスをして予防してくださいね!

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