太陽光パネルと雨漏りの深い関係性【リスク爆増…!?】

この記事で分かるポイント!
  • 太陽光パネルが雨漏りリスクを高めてしまう理由
  • 雨漏りリスクを最低限に抑え、太陽光パネルを有効活用する方法

最近は一般住宅にも設置されることが増えてきた『太陽光パネル』。

  • 電気代の節約
  • 売電による利益

と得られる恩恵も大きいので、ご自宅にも太陽光パネルの設置を検討されてい方も多いかも知れませんね。

しかし…メリットがあれば、そこには必ずデメリットも存在します。

たとえばメンテナンスが必要だったり、反射光によるご近所トラブルがあったり…と様々なケースがありますが、ひとつ確実に言えるのは『雨漏りのリスク』が確実に高くなるということ。

「太陽光パネルを設置してしばらくしたら、雨漏りした…」なんて相談、じつは少なくないんです。

そこでこの記事では、なるべくデメリットを受けることなく太陽光パネルのメリットをしっかりと享受できるよう『太陽光パネルと雨漏りリスクの関係性』についてまとめておきました。

この知識があれば、太陽光パネルを設置しても安心して暮らしていけるはず。あなたが太陽光パネル設置を考えているのならば、ぜひ一度読んでみて下さい。

目次

太陽光パネルの設置が雨漏りリスクに直結する理由

一言で言うと『屋根に穴を開ける必要があるから』。

そもそも太陽光パネルを固定するためには、まず支えとなる『架台』という物を屋根に取り付ける必要があります。この架台はパネルを支える重要な役割を果たし、またパネルの重量に耐えなければいけません。

そのためガッチリと固定する必要があるので、屋根の骨組み部分にまで穴を開けてビスで止めるんです(これを直打ち工法と言います)。

この『ビス止め用穴』が、まさに『致命的な弱点』となってしまうんですよね…(もちろん、ちゃんと防水施策を施すのは同然の話ですが)普通に考えて

  • 一度穴を開けて塞いだ場所
  • 最初から穴が空いていなかった場所

どちらが危険かと聞かれれば、圧倒的に前者のほうがリスクが高いことは、なんとなく想像がつきますよね。

屋根の仕組み

『穴を開けると雨漏りリスクが高まる』。これをより理解してもらうには、屋根の構造についても軽く知っていただく必要があります。

基本的に屋根の構造は以下のとおり。

[上]
屋根材(瓦やスレートなど)

ルーフィング(防水シート)

野地板(屋根材の下地)

木(屋根の骨組み)
[下]

屋根というのは、じつはこのように段階構造となっているため、仮に雨水が屋根材を突破してしまっても、すぐに家屋に侵入するわけではなく、ある程度しっかりとシャットアウトされるようになっています。

ところが…先ほど少しお話したように、重量のある太陽光パネルをガッチリ固定するためには、屋根材に穴を開けただけでは固定しきれないんです(汗)。

そこで、基本『太陽光パネルをしっかり固定するため、一番下の垂木にまで穴を開けて固定する』という形を取っています。

そう…太陽光パネルの設置は、基本的に『屋根に備わった防水の仕組みすべてに穴を開ける行為』なので、そのリスク上昇量も非常に高くなるのはある意味で当然なんですよ。

屋根からの雨漏りに関する仕組みは、こちらの記事をご覧ください。

雨漏りとなってしまう2つの原因

太陽光パネルは屋根に穴を開けて設置することによって、雨漏りリスクが高まるのはご理解いただけたかと思います。

とはいえ、通常はしっかりと施工を行いますから、そんな簡単に雨漏りはしないのが普通。にも関わらず、なぜ雨漏りが発生してしまうのか…その大きな原因は、以下の2つにあります。

雨漏りにつながる2大要因
  1. コーキングの問題
  2. 人為的な問題

原因1.コーキングの問題

太陽光パネルを固定設置するために開けた穴は、通常コーキング(ゴムのような弾性のある充填剤。外壁パネルの合間や窓枠など、家屋の隙間を埋めるため様々な箇所で使われる)で埋めて、防水処理を行います。

このコーキングが穴を塞ぐことで雨水を入るのを防いでいるわけですが…残念ながら、コーキングは時間とともに劣化(経年劣化といいます)してしまうんですよね(汗)。

物にもよりますが、コーキングの寿命はおよそ10年ほどが目安(早ければ5年ほどで劣化症状が現れる場合も)。

コーキングは劣化が進むとひび割れしてしまうので、せっかく塞いでいた穴が、雨水の通り道となってしまう…というわけです。

原因2.人為的な問題

原因1.は、ある意味で『仕方がない原因』とも言えます。ですが…じつは、残念ながら太陽光パネルによって雨漏りが起きる原因において特に多いのが職人さんの施工不良、いわゆる『人為的ミス』なんですよ(汗)。

設置時に発生しがちな人為的ミス
  • そもそも適正ではない箇所に穴を開けていた…
  • 穴を開けた後のコーキング処理が雑…
  • 瓦の配置をキレイに戻すことができずに、隙間ができてしまった…

さらに、信じがたいことですが…『知識不足の業者が無理やり取り設置したことで、雨漏りの原因となってしまった』なんてケースもあります。

じつは太陽光パネルは『販売』と『施工』がそれぞれ別会社というケースも多く、販売業者が販売→施工会社に任せる→施工会社は設置ができないとお金がもらえない→無理やりにでも設置してしまう(汗)…という流れが発生しがちなんです。

設置後の雨漏りリスクを抑えるポイント

ここまで雨漏りのリスクについて書いてきましたが、そうはいってもメリットのある太陽光パネル。雨漏りリスクを恐れて設置しないというのも、興味がある人にとってはもったいない話ですよね。

というわけでここからは『太陽光パネル設置後の雨漏りリスクをできるだけ抑える方法』を2つご説明していきます。

その1.『穴を開けない』設置法を依頼する

穴を開けたら雨漏りリスクが高くなる→穴を開けなければ、理論上問題はありませんよね。

じつはキャッチ法、シンプルレイエ法、支持瓦工法といった『屋根に穴を開けない工法』もあるにはあるんです。これならば雨漏りの弱点である穴を開ける必要がないので、設置しても安心ですね!

…では、なぜおもにこの方法が取られずに、従来の『穴を開けて固定する方法』が主流なのか。

それは『直打ち工法(穴を開けて固定する方法)』に比べ、施工価格が高くなるから。穴を開けない分、設置対象の屋根状態に可否を大きく左右され、場合によっては屋根自体の補修や張替えが必要になることもあります(汗)。

総じて直打ち工法よりも大きく設置コストがかかってしまうため、あまり採用されていないんですよ(コストが高くなってしまうと、設置を取りやめてしまうお客様も増えるでしょうからね…)。

ですが(職人の腕に左右されることに変わりはありませんが)通常の直打ち工法に比べ、間違いなく雨漏りリスクは激減します。安全性を買うという視点で見れば『屋根に穴を開けない設置方法を指定する』ということも、決して悪い選択ではありませんよ!

その2.定期的な点検を実施

とはいえ、やはり『コストが増大する』というのは、なかなか大きな問題…そう簡単に選べませんよね(汗)。

そこでご説明するのが『転ばぬ先の杖』、ようは定期的な検診の実施です。

太陽光パネルに限った話ではありませんが、雨漏りリスクを抑えるには、定期的な点検による異常の早期発見が重要。早期に発見できれば、被害を最小限に抑えることもできますからね。

場所は『屋根』ですが、室内から天井(や壁)をチェックすることで、ある程度の点検が可能です。

代表的なチェックポイント
  • 天井に黒いシミがないか?
  • 部屋の中がカビ臭くないか?
  • (天井裏や壁から)水が垂れる音がしないか?

屋根が原因で発生した雨漏りは、いっきに室内に水が垂れてくるというよりも、その前段階被害が発生するケースが多くなります。

定期的に『室内に異変が起きていないか』をチェックすることで、リスクを抑え、万が一の被害も最小限に食い止めることができますよ。

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定期チェックがサービスに入っている施工会社を選ぶとなおよし!

施工会社によっては『無償で初年度のみ』『10年間のうち数回』といった形で、点検・診断サービスを実施している場合があります。

ご自身でチェックするよりも専門家にお願いした方がより高い精度でチェックできますから、こういったサービスがついているようなら、ぜひ利用してください!

(というか…そもそも『こういったフォローがちゃんとついている業者』を選ぶべきです!)

オマケ.太陽光パネル設置に関する雨漏り保証ってある?

さて…コーキングの経年劣化はある意味でしょうがないにしても『施工不良が原因で雨漏りが起きた』なんてことになったら、はいそうですかと修理代金を支払うのも、バカみたいに感じますよね(汗)。

じつは、基本的には『施工業者側には、施工不良による雨漏りが発生した場合、保証する責任がある』んです(販売を行なったメーカー側でなく、施工した業者側なので注意)。

設置業者は国土交通省から『リフォーム瑕疵保険の加入』を義務付けられています。ですから、基本的には『保証あり!』と考えてよいでしょう。

ただし…『施工した業者が、すでに倒産していた(汗)』などの理由によって保証がすでに無効となっているケースもあるので、100%保証で直せるというわけではないことには注意が必要です!

太陽光パネルと雨漏りリスクの深い関係:まとめ

では最後にこの記事の要点をまとめますね。

太陽光パネルを設置する際は、基本的に『屋根に穴を開ける』必要があるので、雨漏りリスクは確実に高まる!

雨漏りとなってしまう2つの原因は⬇︎

2大原因
  1. コーキングの経年劣化
  2. 人為的な要因

太陽光パネル設置後の雨漏りリスクをできるだけ抑えるには…⬇︎

2つの方法
  1. 『穴を開けない』設置方法で依頼(ただし、設置コストが上がる)
  2. 定期的な点検を実施する

太陽光パネル自身は

  • 電気代の節約
  • 売電による利益

と、大きなメリットがあるのもまた事実。ですが、何度もご説明しているように、雨漏りリスクが跳ね上がるのも、また事実…。

ですから、できる限り『雨漏りリスクは抑え、メリットをしっかり享受』していただきたいと思い、今回の記事を作成しました。

あなたが太陽光パネルの設置を検討しているのであれば、この記事の知識を活かして、これからの生活に役立ててくださいね!

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