天窓から雨漏りしてる!→じつは多いんです【3つの原因あり】

あなたのお家、もしかして…
  • おしゃれな天窓がついていませんか?

陽が降り注ぎ、室内を明るくしてくれる天窓。

開放感があり、電気代も節約できるなど、様々なメリットがありますが…じつは『雨漏りしやすい』というデメリットもあるんですよ。

『雨漏りは、屋根からするもの』と思う方も多くいらっしゃいますが、実際に天窓ふくむ『屋根以外の箇所から雨漏りが起きて困っている人』というのは大勢いるんです。

そこでこの記事では

この記事で得られるポイント!
  • なぜ天窓は雨漏りしやすいのか
  • 天窓から雨漏りが起きる具体的な原因
  • 天窓からの雨漏り対策

をまとめました。

少し長くはなりますが、自宅に天窓を採用している人、すでに天窓から怪しい水垂れが発生している人は、ぜひ読んでみてください。

目次

【事実】雨漏り = 『屋根が一般的』は勘違い!

代表的な雨漏りといえば、やっぱり屋根(天井)からの雨漏り…ではありません。

あまり天井以外で雨漏りが発生することは知られていませんが…じつは屋根からではなく様々なところから雨漏りはするものなんですね。

今回の『天窓』ふくめ、よくあるケースとして『壁』『窓』『バルコニー』などがあり、特に窓は構造上雨漏りしやすいので注意が必要です。

ちなみに、雨漏り事例としてもっとも多いのは…そう、窓です(笑)。

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天窓が雨漏りしやすい理由

ではここから本題に入っていきましょう。

そもそも、屋根は雨などから家を守るためのもの。しかし天窓はその屋根に、穴を開けて設置しているので、通常なかったはずの『隙間』が生まれます。

この隙間は雨水の通り道。本来、天窓がなければ、できることのなかった隙間になるんですね。

つまり、天窓を設置すること自体、『雨漏りのリスクを高める』ということ。天窓がない屋根とある屋根では、圧倒的に後者のほうが雨漏りしやすいのです。

もちろん、雨漏りをしないように様々な施工をしていますが、穴を開けて設置している以上、100%絶対に雨漏りしないとは言い切れないのが現実なんですね。

ようは『天窓』が雨漏りしやすいというよりも、そもそも『天窓を設置する』という行為そのものが、雨漏りのリスクを高めているわけです。

その水漏れは雨漏り?それとも結露?

じつは、天窓からの雨漏りは『雨漏りとして気づかずに放置』されてしまう傾向が強い、要注意ポイントの1つです。

なぜなら…結露と勘違いしやすいんですよ。

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天窓を含め、窓というものは必ず結露が起きるもの(結露とは、冬など寒い季節に、外と室内での激しい気温差によって起こり窓が水滴で濡れてしまう現象です)。

この結露が天窓で発生し、雨漏りと勘違いしてしまったというケースもあります。まあ、こっちの勘違いは被害も少ないので、現実を知ればむしろ『ラッキー!』になるんですが…(笑)。

厄介なのは『雨漏りを、結露と勘違いする』場合。ようはこれ、雨漏りを『放置』しているということなので…。

雨漏りは時間が経てばたつほどに家屋に与えるダメージが大きくなるものなので、こういったケースに注意が必要です。

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天窓の雨漏りポイントは複数ある

『天窓からの雨漏り』となれば、普通は天窓から水がしたたり落ちてくる状態をイメージしますよね?

もちろんそのケースが多いのですが…じつは水が垂れてこないのに雨漏りしている、というケースもあるんですね。

天窓から雨漏りが発生する可能性のある箇所は、複数あるんです。

  • 天窓のガラスから
  • 天窓の周辺から

天窓からの雨漏り箇所は、大きく分けるとこの二つに分かれ、それぞれ雨水の侵入経路も違います。

天窓のガラスから雨漏り

こちらは誰もが思う雨漏りのイメージどおり、天窓ガラスから雨水がダイレクトに垂れてくるパターン。

そのため、室内が水で濡れてしまいますが、すぐに雨漏りに気づくことができます(結露と勘違いするケースも多いですが…)。

天窓の周辺から

天窓周辺とは、言ってしまえば天窓周辺の天井部分ですね。

ここからの雨漏りの場合は、侵入した雨水がガラスから垂れず、シミとなって天井に姿を現します。

天窓そのものから雨漏りしているように感じますが、じつはこれ、『天窓周囲の素材』からの雨漏り。厳密にいうと、天窓と屋根の隙間から雨漏りが起きているということになります。

この場合、屋根裏など、家の内側をゆっくり浸透してくるため、雨漏りしていることに気づきにくく、発見が遅れてしまうのです。

天窓から雨漏りが起きる具体的な3つの原因

では、実際に天窓から雨漏りが起きてしまう原因を具体的に説明していきましょう。

そのおもな原因は3つ。

天窓の雨漏りにつながる3大要因
  • 経年劣化
  • 落ち葉などのゴミ詰まり
  • 施工不良

それぞれ、ご説明していきますね。

原因1:経年劣化

雨漏りが起きないように様々な施工がされている天窓ですが、当然ながら、その効果は永久ではありません。

とくに天窓は屋根に設置されているため、絶えず日光や風雨に晒されどんどん耐久性が落ちていく、いわゆる『経年劣化』が早く起きやすい箇所。

これが天窓から雨漏りしてしまう一番の原因になります。

ゴムパッキンの経年劣化(コーキング)

経年劣化による雨漏りで多いのが、窓をはめ込む際にできる隙間を埋めているパッキン&コーキング(隙間を埋めるためのゴム状の液体)の経年劣化。

これらには、隙間から水が侵入するのを防いでくれる働きがあります。

しかし経年劣化進むにつれてゴムパッキンは硬化してしまい、ヒビが入るようになるので、そこから雨水が侵入。結果として天窓から雨漏りが起きてしまうのです。

じつは天窓からの雨漏りの原因として一番多いのがこのパッキンの劣化によるもの。

ゴムパッキンの寿命はおよそ10年と言われているので、築年数が10年〜ほど経っている場合は、いつ天窓から雨漏りしても不思議ではありません。

雨仕舞の経年劣化(水切りエプロン)

屋根に設置されている天窓は、雨や風の影響を非常に受けやすく、水も溜まりやすい箇所のため、雨漏りしやすい弱点のようなもの。

その弱点に水が溜まらないように雨仕舞(あまじまい)といって、板金施工をしています。

雨仕舞とはそのまんま、雨を仕舞うという意味。つまり天窓に溜まる雨水を外に受け流して排水する重要な役目なんですね。

また、瓦屋根のような波打った屋根材の場合、天窓の下に『水切りエプロン』と呼ばれる鉛のシートが設置されていますが、これも雨仕舞の一種となります。

この雨仕舞板金が経年劣化により錆びて穴ができたり、破損をしてしまうことによって、雨漏りが起きてしまうというわけです。

また、取り付けに使われている釘が劣化により浮き出して、そこから雨水が浸入することも。

雨仕舞板金の耐用年数は素材にもよるが10年~20年程なので、それ以上経っているお家は、もしかしたら損傷している可能性も考えられるでしょう。

ルーフィングの経年劣化(防水シート)

天窓と屋根の取り合い部分(境目部分)からの雨漏りを防ぐための防水シートのことを『ルーフィング』と呼びます(下葺き材とも呼ばれます)。

ルーフィングは屋根材や雨仕舞いの下に隠れて見えませんが、その役割は雨の侵入を阻む門番。

しかし、雨水を受け続けることによって徐々に経年劣化が起きます。このルーフィング、耐用年数はおよそ20年といわれます。

経年劣化が起きたルーフィングには破損が起こり、門番としての役割を果たせなくなってしまいます。割れ目などから雨漏りが起きてしまうというわけですね。

このルーフィングからの雨漏りは、先ほどご説明したような『天窓周辺からの雨漏り』に繋がります。

そのため、水漏れではなく、シミとなって姿が現れるので、雨漏りとし認識しづらく、注意が必要でしょう。

原因2:雨仕舞へのゴミ詰まり

天窓は屋根に設置されている為、なかなか自分では掃除したりするのは難しい部分。

そのため、天窓周辺に落ち葉などのゴミが溜まっても、そのままになってしまう方が多いのですが…これが天窓からの雨漏り原因になってしまうケースも。

というのも、先程お話した雨仕舞部分にゴミが溜まり続けると、排水機能が働かなくなり、水がどんどん溜まっていきます。

その溜まった水が最終的に屋内に侵入し、天窓から雨漏りが起きてしまいます。

(雨仕舞部分に鳥の巣ができていて、天窓からの雨漏り原因になっていたというケースもあったりします)。

原因3:施工不良

  • 経年劣化するほど築年数も長くなく
  • 特に雨仕舞いへのゴミ詰まりもない(排水がうまくいっている)

という場合、残念ながら『施工不良』の可能性が高いと言えます(原因が施工不良というケースは、決して少なくないんです)。

築10年以内の天窓からの雨漏りは、施工不良の可能性あり!

最近の天窓の性能は非常に優秀で防水性能が高いのですが、これを設置するのはあくまで人の手。

作業をする方の技術不足やミスによって、なんらかの施工不良があれば、たとえ新築でも天窓から雨漏りは起きてしまいます。

たとえば天窓と屋根材の取り合い(境目)は別の業者が作業する場合もあるため、コミュニケーション不足により、施工不良が起こることは少なくありません。

また、ルーフィング施工時、屋根材から天窓にかけてルーフイングを立ち上げるように施工するのですが、特に天窓の四つ角部分が危険。

作業ミスにより、四つ角部分に穴が開きやすく、そこから雨漏りが起きてしまうこともあるのです。

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天窓の雨漏り被害は『雨漏り個所』によって変わる

天窓から雨漏りが起きる原因はご理解いただけたかと思います。

ここで気になるのは、天窓から雨漏りが起きるとどんな被害があるのか、ということですよね。

代表的な雨漏りの被害といえば、水漏れによって室内が濡れてしまうことですが…天窓からの雨漏りは、じつは『雨漏り箇所』によって起きる被害が変わるのです。

  • 天窓のガラスから水が垂れてきているだけの場合
  • 天窓周辺の天井にシミができている場合

このどちらかによって、起きる被害は大きく変わり、その深刻さも変わってくるので、具体的に解説していきますね。

天窓のガラスから水が垂れてきているだけの場合

この場合は天窓のゴムパッキンの経年劣化により、天窓ガラスからダイレクトに雨漏りしている可能性が高いでしょう。

天窓ガラスから起きる雨漏り被害としては、室内に水が垂れて、家具や家電が濡れてしまうこと。

家具が濡れることによる損害はもちろん、家電の故障などにもつながるので、経済的なダメージにもつながってしまうでしょう。

また、垂れた水に気づかずに足を滑らせてケガをしてしまうこともあるので、そのままにしておいては危険です。

天窓周辺の天井にシミができている場合

先程ご説明したように、侵入した雨水が窓ガラスではなく、屋根裏などを通って、シミができてしまった雨漏り被害ですね。

これはルーフィングや水切りエプロンの劣化、または雨仕舞いのゴミ詰まりによって雨漏りが起きている可能性が高いと考えられるでしょう。

じつは、こちらのケースの場合は結構やっかいです。

この場合、水が垂れてくることはあまりないので、「シミだけだからまだ大丈夫でしょ」とそのままにされてしまう方も多いのですが…じつは、このシミができている場合のほうが被害は深刻になるケースが多いんです。

天窓周辺のシミは家屋が腐食している証拠!

なぜ水漏れより深刻なのか?それは雨水の侵入ルートの違いにあります。

天窓ガラスのパッキンからの雨漏りは『パッキンだけ』を雨水が通ってきているので、ダイレクトに室内に水が垂れてきます。

対してシミの場合は、ルーフィングを突破して屋根裏など『家の内部』を雨水が通過するんですね。

つまりシミができているということは、屋根裏などの見えない部分に水が溜まり、腐食してしまっている可能性が高い、ということ。

そうなれば、家の耐久性は低下してしまうことになります。

しかもシミが目に見えるようになるまで、時間もかかるので、あなたが気づいた時には被害がかなり進行している場合も…。

そうなれば被害は天窓だけにとどまらず、もっと大変な被害を引き起こしてしまうでしょう。

だから天窓ガラスからの水漏れよりも、天窓周辺のシミのほうが、被害が大きくなってしまうのですね。

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天窓からの雨漏りが起きた場合の対策

天窓から雨漏りしている…といっても、それですべてが終わりというわけではありません。大事なのは雨漏りしている事実を受け止め、これからどう対策するか?ということ。

というわけで、大事なポイントを以下の3つにまとめましたので、順番にご説明させていただきますね。

対策1.とにかくまずは応急処置

天窓ガラスから水が垂れてくる場合、放っておけば室内の家具や家電が濡れてしまい、だめになる可能性があります。

ですので、まずは室内の水濡れ被害を防ぎましょう。

一番効果的なのは、垂れてくる水を受け止めてあげることです。

古典的なバケツで受け止めるやり方もいいですが、もし天窓に手が届くのなら吸水パックが便利!天窓に張り付けて水を吸水してくれる優れもので、ホームセンターで簡単に手に入ります。

もし天窓に届かない場合でも、床に設置すれば水を受け止めてくれるので、効果的ですよ。

※天窓に取り付ける際、高所作業になりますので、十分に気を付けて作業を行ってくださいね。

築年数が短い場合は販売業社へ連絡!

築10年以内の天窓からの雨漏りは施工不良の可能性が考えられるので、販売業者に連絡してみてもいいかもしれません。

というのも、もし欠陥による雨漏りと認められれば、業者が無償で対応してくれるからです。

かける必要のないお金はかけないほうがいいですよね!

聞いてみるだけタダなので、築10年以内なら、遠慮せずに販売業者に連絡してみましょう。

築年数の経過がある場合は、雨漏り修理業社へ連絡!

経過年数が長い場合は、施工不良という線はほぼ無くなります(施工不良の場合、もっと早くから雨漏りしているケースがほとんど)。

そこで、この場合は雨漏り修理業者に連絡しましょう。

雨漏りは、水が垂れてくること自体も厄介な問題ではありますが…じつは『家屋に与えているダメージ』がもっとも厄介な問題なんですね。

雨漏りが続けば続くほど、それは『家屋へのダメージが積み重なっている』ということに他なりません。もし対処が遅れれば、被害はますます拡大してしまうでしょう。

ですから、ちゃんと専門家に連絡し、雨漏りの原因そのものを対処することが大切です。

自分で修理できないの…?

じっさいに『雨漏り自体を』ご自身で止めることができないのか?ここが気になりますよね。

厳密に言えば『可能』です。ですが、これは

  • パッキンやコーキングによる経年劣化が原因で
  • 劣化した部分をしっかりと補修できたなら

という条件つきになります。

パッキンやコーキングはホームセンターなどでも手に入りますので、経年劣化が発生している箇所を補修すれば、雨漏りを止めることはできますね!

ですが…これ以外の原因の場合、そもそも『補修方法が厄介』なので、ご自身で雨漏りを止めるのは非現実的だと思った方がいいでしょう。

しかも『補修箇所が高所となり、危険』なうえに『複数の原因で発生している』可能性もあり『しっかりと補修しないと雨漏りは止められない』ので、ご自身で雨漏りを止めるのはなかなかに大変ですよ。

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じつは多い、天窓からの雨漏り!:まとめ

少し長くなってしまいました…!色々と大事なことをお伝えしていますので、忘れないように最後におさらいしておきましょう。

雨漏りに直結する天窓トラブル…!
  1. 天窓からの雨漏り原因1:経年劣化
  2. 天窓からの雨漏り原因2:落ち葉などのゴミ詰まり
  3. 天窓からの雨漏り原因3:施工不良
天窓からの雨漏りが発生したら?
  1. まずは応急処置
  2. 施工不良が疑わしい場合は販売業者に連絡
  3. 雨漏り修理業者に連絡

オシャレで室内も明るく、メリットの多い天窓ですが、じつはこれだけ雨漏りしやすい原因があります。

ですが「天窓なんて付けなければよかった…」なんて思わないでください。

この記事を読んだあなたは、天窓からの雨漏りに対抗できる知識をすでに身につけているはず。しっかり対策すれば、恐れることはなにもありません。

これからも天窓のある生活を楽しむために、ぜひこの記事を活かしてくださいね。

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