- マンションで雨漏りが起きる原因と要注意箇所
- マンションで雨漏りした場合の責任について
- マンションで雨漏りした場合の対処について
戸建てとマンションで大きく違うポイントの1つが『マンションは、他の住人も一緒に生活している』ということ。
そのため、分譲マンションで雨漏りすると
- 誰の責任になるの?
- どうやって対処するの?
- 誰が対処するの?
- どこで対処するの?
といった、戸建てとはちょっと異なる心配事や悩み、トラブルが発生します。
あんまり『マンションで雨漏り』というイメージはないかも知れませんが、そもそも『どんな建物でも、100%雨漏りしないことはない』というのが、雨漏り業界での常識!
ということで、この記事では『マンションでの雨漏り』についてまとめていますので、今マンションにお住いの人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
※賃貸マンションの場合、ここで書いている内容とはちょっと対応方法が変わってきます。賃貸マンションの場合はこちらの記事に内容がまとまっています。
【要注意!】マンションの4大雨漏り注意ポイント
まずは、マンションにおいて『雨漏りの原因となりやすい注意ポイント』をご説明していきます。
- 屋上
- バルコニー
- 外壁
- 窓
注意ポイント1.屋上
屋上は常に日光や雨風に晒されており、その分劣化しやすいと言えます。特に『出入りできる屋上』での場合、人が歩く分、床の防水層が剥がれやすいといった問題も。
また、メンテナンス不足により排水口にもゴミが溜まっていれば、排水機能が正しく働きません。その場合、屋上に雨が溜まりやすく、さらに雨漏りのリスクは高まってしまうでしょう。
屋上の雨漏りリスク、もっとも影響される人は…そう、最上階に住んでいる方!
やっぱり人気のある最上階の部屋ですが、屋上が雨漏りしてしまうと、ダイレクトに部屋に雨漏りが起きてしまうといったデメリットがあるんです。
しかも、上の階に人は住んでいないわけですから…最上階にお住いで、天井から水が垂れてくるようであれば、雨漏りの可能性は非常に高くなります。
注意ポイント2.バルコニー
多くのマンションについているであろう『バルコニー』。じつは、かなり雨漏りしやすいリスクを持っています。
屋上と同じ原因で劣化がしやすく、床の防水層や排水口トラブルが発生しやすいんです。
また、屋上にはない注意箇所が落下防止用の手すり。この手すり部分はバルコニーに入り込む雨を受け止める役割があるんですが、その分劣化が激しいんですね。
手すりには隙間を埋めるコーキング(柔らかいゴム状の液体)が施工されていますが、これが劣化でひび割れることにより、建物内部に雨漏りが起きてしまうんです。
注意ポイント3.外壁
屋上やバルコニーと比べて水が溜まることもなく、侵入する水も少量のことが多いのですが…その分雨漏り発生に気づきにくい場所、それがマンションの外壁です。
ひび割れや隙間から雨水が侵入することで、雨漏りにつながってしまいます。
少量の水といえど、油断は禁物。その少量の水で、壁の内側がカビだらけになってしまうことは珍しくありません。
また、壁の内側に入っている鉄筋が、侵入した雨水によって錆びてしまうことも…。こうなると、強度が低下してしまい、非常に危険です。
注意ポイント3.窓
意外かもしれませんが、じつは窓は雨漏り発生率が特に高い箇所(戸建てでも、もっとも雨漏り発生が多い箇所です)!
窓は外壁に穴を開けて設置している分、元々隙間が多いもの。
もちろん隙間を埋めるためにコーキングが施されていますが、寿命は約10年ほど。そうして年月が経つとひび割れが起こり、隙間に雨が入り込んでしまうんです。
これは、マンションでも同じ。窓は、もっとも雨漏りに注意したい箇所ですね!
【場所別】マンションの雨漏り責任について
マンションの雨漏り責任については『どの場所で起きたか?』、または『何が原因で起きたか?』が大きなポイントとなります。
ここでは、まず『どの場所で起きたか?』にフォーカスしてお話ししますね。
マンションは大きく分けると
- 専有部分
- 共用部分
の2つに区分けされています。雨漏りがどちらで起きたかによって雨漏りの責任は変わってくるので、それぞれ説明していきます。
共有部分で発生した雨漏りについて
共有部分というのは、マンションの玄関やエントランスホール、廊下や階段、エレベーターなど『住人みんなが利用できる・している場所』が当てはまります。
共用部分でトラブルがあった場合は、管理組合の責任となります。
管理組合というのは、所有権のある住人全員が加入している(加入義務があります)組合で、ようは『住人みんなでマンションの管理をしましょうね』という集まりです。
ですから、共有部分での雨漏りトラブルは、住人全員が責任持って対処をする、ということになります。
専有部分で発生した雨漏りについて
これは単純に室内となり、壁や床、天井などの内側部分が当てはまります。
この専有部分に関してはあなたに所有権があり、仮にメンテナンス不足でトラブルがあればあなたに責任が問われることになります。
専有部分の雨漏りは、自分の部屋への被害はもちろん、周りの部屋の住人にも被害を与える可能性があるので注意が必要です。特に、下の階の住人ですね。
たとえば…あなたが窓を開けっぱなしでしばらく出掛けたとします。
その間に大雨が降り、窓から雨水が入って床が浸水し状態に…。
それが原因で下の階に雨漏りが発生し、下の階の住人から損害賠償を求められる…。
という感じですね。逆に、上の階の住人が同じ状況で、あなたの部屋に同様の被害が及ぶこともあったりします。
バルコニーや窓は、じつは専有部分ではありません…が。
意外にもバルコニーや窓に関してもじつは共用部分なんですが…ここで注意したいのはこれらに関しては『共用部分でありながら、専用使用部分でもある』場合があるということ。
簡単に言うと、『共用部分だけど、管理責任はあなたにありますよ』という例外場所です。
たとえばあなたがバルコニーの掃除を怠って、雨漏りが起きてしまったら…その場合はあなたの責任の割合が大きくなってしまうということ。専有部分じゃ無いからと言わず、しっかりチェックしておきたいですね。
こういった共用部分の区分けについては、管理組合の規約によって定められており、マンションによっては違う場合もあるので、ちゃんと確認しておくことをオススメします。
原因別】マンションの雨漏り責任について
続いて『何が原因で起きたか?』にフォーカスしていきましょう。
雨漏りのおもな原因となるのは
- 施工不良
- 経年劣化
です。それぞれについて確認してみましょう。
施工不良が原因で雨漏りが発生したら?
築10年以内の雨漏りなど、明らかに施工不良での雨漏りであれば、当然建築業者の責任になります。
この場合、専有部分でも共有部分でも、その責任は建築業者の方に発生することになります。
共有部分の場合は、管理組合から建築業者へ連絡。専有部分の場合は、自分で連絡or管理組合を通して連絡、といった形になるのが一般的です。
経年劣化で雨漏りが発生したら?
この場合は、原因はあまり関係なく、先ほど説明した『どこで発生したか?』が基準になります。
- 専有部分:部屋の住人の責任
- 共用部分:管理組合としての責任
ですね。
ちなみに、先ほどご説明したバルコニーなどの例外部分で経年劣化が発生した場合は…共有部分なので、管理組合の責任範疇となるところですが、住人のメンテナンスがちゃんと行われていたか?など色々な判断基準が適用されることになります。
専有部分なら、自分で雨漏り修理をしても大丈夫?
共有部分は管理組合の責任範囲となるので、勝手に修理対応をしてはいけないのは何となくわかりますよね。
では、専有部分(自分の部屋)などで雨漏りが発生した場合はどうでしょう?自分の部屋なので、自分で修理をしてしまっても良いのでしょうか…?
結論的には『専有部分の雨漏りであっても、まずは管理組合に連絡を入れる方が良い』です。
「えっ?管理組合の責任範疇じゃ無いのに、管理組合に連絡を入れるの?おかしくない??」
と思うかも知れません。確かに責任範疇は管理組合には無いのですが
- 管理組合指定で対応業者が決まっている
- じつは上の住人の過失による雨漏りだった
ど、それぞれ決まりごとがあったり、他住人とのやりとりが必要になったり、というケースがあるんですよ。
ですので、なるべく管理組合に確認を取ってから動くことをオススメします。
分譲マンションで雨漏り…誰の責任?:まとめ
では、最後にここまでの内容をまとめておきます。
- 屋上
- バルコニー
- 外壁
- 窓
- 専有部分→基本的には所有者(住人)
- 共用部分→基本的に管理組合(例外もあり)
たとえ専有部分でも、勝手に修理するのは止めておいた方が無難。一度管理組合に連絡して、指定の業者がいないか?などを確認しておく方がいいでしょう。
管理責任や住人同士のトラブルが起こりやすいマンションの雨漏り。
複雑なことも多く悩むこともあるかもしれませんが、住人全員の建物ですから、一人で悩まず、まずは管理組合に話をしてみましょう。
この記事の内容があなたに役立つように祈っています。
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