2階建ての家屋で、1階の天井が雨漏りする。
この記事では、こんな摩訶不思議な現象について解説します(じつは、メカニズムがわかれば、不思議でもなんでもないのですが(笑))。
2階建ての場合、一般的に想像される雨漏りの順番は『屋根→2階の部屋の天井』といったイメージだと思います。
ですが、じつは『1階の天井が雨漏り』というのも起こり得る話なんです。
そして厄介なのが…2階ではなく1階から雨漏りしているという状況は、家屋にとってむしろ危険なことという事実。
その危険性の理由は、発生のメカニズムにあります。
この記事では『2階建てなのに1階から雨漏りが起きる理由』から、その『危険性』までをあなたに理解していただけるようにまとめました。
2階建て家屋で、なぜ1階から雨漏りするのか

冒頭で少し説明したとおり、2階ではなく1階から雨漏りするというのは、普通にありえることです。ここではその理由を解説しますね。
そもそも雨漏りというのは
- 雨水が何かしらの原因で家屋に侵入し
- 内部の様々なところを通過して
- 目に見える箇所(室内)まで到達してしまう
雨漏りとは、雨が家の内側(見えない部分)を通り、様々なルートで発生します。そのきっかけとなる『雨漏りの入り口』は屋根だけではありません。
という現象。侵入のきっかけは屋根とは限りませんし、侵入したらまっすぐ近く(の室内)に染み出してくるともm限らないわけです。
2階建て家屋で1階の天井が雨漏りしたのなら、浸入した雨水が家の内部を通って1階にまで移動してから染み出した、ということ。
つまり2階建て家屋の1階が雨漏りしてしまう、という状況は、発生のメカニズムから言えば普通といえます。
とはいえ、2階→1階は、なかなかに長い旅路です。特に、屋根から侵入した場合、基本的には2階の天井に雨漏りが発生するのが一般的でしょう。
2階建て家屋なのに1階から雨漏りした!という場合、侵入経路が屋根以外のことが多くなります。
雨水の侵入経路.1:外壁
外壁は塗装によって防水加工がなされているので、基本的に水が浸入することはありません。
ですが、外壁は常に雨風に晒されています。これによって経年劣化が起こり、塗装の剥がれやひび割れが起きてしまいます。地震でひび割れが起きる、なんてことも珍しくはありません。
そうして出来たひび割れや塗装剥がれから雨水が浸入し、家の内部を通って1階の部屋にまで到達。結果、1階の天井が雨漏りしている、という自体に繋がるわけです。

雨水の侵入経路.2:窓
窓枠は外壁に埋め込むような形で設置されており、その隙間からは水が入らないようコーキング(隙間を埋める為の充填剤)を使って防水加工がされています。
しかし、このコーキングは日光によって少しづつ劣化する性質を持っているので、その寿命は早くて5年、長くても10年ほどしか保ちません。
劣化が進むとコーキングにひび割れが発生してしまうので、隙間から雨水が浸入→中をつたって1階へ→1階で雨漏りが起きてしまうわけです。
もし雨の日に2階の部屋の窓の縁が濡れていることがあるのなら、その窓が原因で1階が雨漏りしている可能性があります。一度チェックしてみましょう。

雨水の侵入経路.3:電気線や配管の取り付け箇所
生活に欠かせない電気線やエアコンの配管。どこの家にも存在するものですが、ここが入り口となって雨漏りしてしまうケースも少なくありません。
そもそも、電気線やエアコンの配管は壁に穴を開けて家の中に取り込んでいます。
もちろんそこから雨が浸入しないようにコーキングで埋めているのですが、先程ご説明したようにコーキングというものは経年劣化が発生しますので、ここからの雨漏りは避けられないわけです。

雨水の侵入経路.4:バルコニー
2階にバルコニーを設置している方は要注意。じつはバルコニーは、その劣化の速度が特に早いのです。
バルコニーは洗濯やガーデニングといった作業を行えるスペース。ということは、当然ですが人がそのバルコニーの床を直接歩くことができるわけです。
人が歩いた分、バルコニーの床が擦れてしまうことになります。すると…塗装の剥がれも早まり、劣化の速度が早まってしまうわけです。
バルコニーの手すり壁も雨風に常に晒されていますから、非常に劣化が早い箇所。
これらの理由から、バルコニーは雨漏りの入り口となってしまう個所が多く、非常に要注意なポイントと言えます。

【注意】1階から発生する雨漏りは、通常の雨漏りより危険です!

その理由は、雨水が染み出すまでにかかった時間にあります。
冒頭でもお話したように、雨漏りはすぐに部屋にまで染み出すわけではなく、そこにたどり着くまでに家の内部のいろんなルートを通ってきます。
つまり、雨漏りに気づいた時点ですでに『被害は進んでいる』ということですが…1階に雨漏りが起きているということは『それだけ長いルートを雨水が通ってきている』ので、家屋の様々な箇所にダメージを与えている可能性が高くなるわけです。
長い経路を時間をかけて移動したぶん、家屋の裏側へ雨水が多く侵入しており、内側が湿気・カビだらけになっているケースもあります。
湿気により家の内部は相当なダメージに繋がってしまい、最悪の場合は以下のようになることも考えられます。
- 家の建築材が腐って、倒壊してしまう
- カビが大量発生し、それにより家族が病気になってしまう
- 家にシロアリが住み着き、建築材などを食べられてしまう
こういった被害に繋がりやすいぶん、2階建て家屋で発生する『1階での雨漏り』は、普通の雨漏りに比べて危険性が高いと言えるわけですね。



1階での雨漏りに対処するには…

1階からの雨漏りを確認したとき、あなたが取るべき最前の行動…それは『悪いことは言わないので、今すぐ雨漏り修理の専門業者に相談』することです。
先程も説明したとおり、1階から雨漏りしている時点ですでに相当なダメージを負っている可能性が高いので、一刻も早く修理しなければいけません。
しかも、侵入→室内に染み出すまでのルートが一筋縄ではいかない可能性が高く、雨漏り発生箇所を探すこと自体がそもそも困難なケースが多いんです。残念ながら、素人作業で対応するには、少々難儀な状態といえます。
優良な雨漏り専門業者は『事前の調査・見積もりが無料』ですので、とりあえず相談だけでもしてみることをオススメします。
少なくとも、素人判断で対処するよりも、とりあえず専門家に相談するだけ相談した方が、よほど安心できるはずです!
家がダメになってしまってからでは、遅いですからね…。


2階建て家屋なのに1階から雨漏りする理由と危険性:まとめ

それでは、最後にこの記事の要点をまとめます。
- 雨水は屋根以外のいろんなところから侵入し、様々なルートを辿る
- そのため、2階ではなく1階から雨漏りするのは不思議ではない
- 1階の雨漏りに繋がる侵入経路.1:2階の外壁から
- 1階の雨漏りに繋がる侵入経路.2:2階の窓から
- 1階の雨漏りに繋がる侵入経路.3:2階の電気線や配管から
- 1階の雨漏りに繋がる侵入経路.4:2階のバルコニーから
- 気づいた時点で被害は進んでいるので、1階からの雨漏りは危険!
- 1階からの雨漏りは原因発見が困難なので、すぐに専門業者に連絡!
発生理由と、その危険性についてお分かりいただけましたか?
繰り返しになりますが、もしも『2階建て家屋で1階から雨漏り』という現象に見舞われた場合、通常の雨漏りよりもかなり厄介な状態担っている可能性が高くなります。
家屋のダメージが深刻なことになる前に、ぜひ雨漏り専門家の無料相談・無料現地確認を受けておくことをオススメします!
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