雨漏りリスクと築年数の密接な関係【ひとつの目安は築○年です】

この記事で分かるポイント!
  • 雨漏りリスクと築年数の関係
  • 築年数の経過による雨漏り注意ポイント

突然の質問ですが・・・あなたの家は『築何年』でしょうか?

まだ数年の方もいれば、すでに10年以上経っている方もいるかも知れません。ですが、共通するのは・・・この記事を開いたくらいですから『築年数による雨漏りのリスク』を心配をされているのでしょう。

『家屋が古くなると、雨漏りしやすくなる』のは、なんとなく感覚で分かりますよね。

ですが、じつは築年数と雨漏りの関係性は『家屋のタイプ』などによっても色々とケースが分かれています。

そして・・・あらゆる家屋一気に雨漏りトラブルを起こしやすくなる『1つの築年数目安』もあるんですよ。

・・・ということで、この記事では『築年数と雨漏りリスクの関係性』と『魔の築年数(雨漏りトラブルのリスクが跳ね上がる築年数基準)』についてまとめておきました。

毎年家を新しく建て直せるような富豪の方には関係ないかもしれませんが、普通の人はそうもいきませんよね。

ぜひ、一度目を通してみてくださいね。

目次

雨漏りリスクと築年数の関係性

これは感覚でも分かると思いますが、単純に『古くなる』ことで、どうしても雨漏りリスクは比例して高くなっていきます。それはいわゆる劣化、つまり『経年劣化』と呼ばれる現象が発生するためです。

家屋は年中にわたって雨や風、紫外線、時には雪や強風で飛ばされた飛来物など、さまざまものに晒されています。

長年に積み重なって晒され続けたダメージで家屋そのものが痛んでくること、これが『経年劣化』です。

この経年劣化が進んでいくと(多くのダメージが積もっていくと)たとえ頑丈な家屋でもいつかは破損します。その破損から雨水が侵入することで、雨漏りが起きてしまうというわけです。

雨漏りの原因は、その多くが『家屋の破損』から発生します。つまり、家屋の築年数と雨漏りリスクには、非常に密接な『比例の関係』にあると言えますね。

築年数の経過に『弱い』家屋タイプについて

どんな家屋であっても『経年劣化しない』家屋は存在しません。

が、じつは『経年劣化に強い家屋』と『経年劣化に弱い家屋』という括りは存在するんです。つまり築年数の経過に強い/弱い、ということですね。

今は様々な形の家屋がありますが、その中でも特に『築年数の経過に弱いと言えるタイプ』が次の2つになります。

キャプション築年数の経過に『弱い』家屋
  • 軒ゼロ系住宅
  • 陸屋根住宅

築年数経過に弱いタイプ1.軒ゼロ住宅

軒とは屋根の先端で、外壁から飛び出している部分のことを指します。いわば、家屋にとっての傘みたいなものです。家屋が日差しや雨に直接晒される被害を防いでくれる役割を担っています。

ところが、最近はデザイン的観点から『軒が短い』『軒が全くない』タイプの家屋、いわゆる『軒ゼロ住宅』が増えているんです。

傘が身体に比べて小さかったら、それどころか傘をさしていなかったら?当然、身体はいたるところが雨でびしょ濡れ、日差しで全身日焼けして真っ黒ですよね。

それと同じで、軒ゼロ住宅もダイレクトに雨や日差しに晒されてしまいます。そのため、他家屋に比べても経年劣化の速度が非常に早いんですよ。

一説によると『軒がある住宅と軒ゼロ住宅では、雨漏りリスクが5倍にまで上がる』という説もあります。

築年数経過に弱いタイプ2. 陸屋根の住宅

そして、ある意味で『もっとも』築年数の経過に弱いと言える家屋、それがこの『陸屋根を採用している家屋』です。

陸屋根とは、傾斜がほぼ存在しない、フラットな屋根のことを指します。

最近よう見かけるようになった、真四角なボックス状の家屋などがこれに該当しますね。オシャレで屋上としても便利なんですが、傾斜がないため、屋根(屋上)に雨水が溜まりやすいというデメリットがあります・・・。

雨水が長く滞留することで、屋根の劣化速度が段違いに早くなってしまうんです。

しかも、陸屋根は基本的に『軒が短い』特徴もあります。つまり『築年数経過に弱いタイプ1』の特徴も満たしているケースが多いということです・・・。

残念ながら、通常の家屋に比べても『圧倒的に築年数の経過に弱い』家屋と言えるでしょう。

築年数○年を境に、あらゆる家屋の雨漏りリスクが跳ね上がる!

さて、この記事の冒頭でお話した『魔の築年数(雨漏りトラブルのリスクが跳ね上がる築年数基準)』についてお話します。

この築年数を越えると、築年数の経過に強い/弱い関係なく、あらゆる家屋の雨漏りトラブル発生リスクが跳ね上がります。

その築年数とは・・・『10年』です!

なぜ築年数が10年を越えると、一気に雨漏りリスクが跳ね上がるのか。それは、この10年という数字が、家屋の様々な部品の耐用年数(簡単にいうと、寿命)に引っかかってくるからなんですよ。

コーキングの耐用年数は5〜10年!

外壁や窓などによく使用されている『コーキング』。

これは隙間を埋めるためのゴム状の素材で、雨水の侵入を防ぐ役割を持っています。

が、その耐用年数は平均的に見て約10年。早ければ5年で劣化してくることもある素材です。10年を過ぎていれば、もはや耐用年数の限界にさしかかっていると言えますね。

屋根材の耐用年数は10年〜15年!

屋根材(屋根の素材)の耐用年数は、それ自体の寿命というよりも『塗装の寿命』と考えた方がいいかも知れません。

屋根材には、よく使われるものとして『スレート・瓦・ガルバリウム鋼板』の3種類があります。最近の家屋ですと、スレート材をもちいた『スレート屋根』がよく採用されています。

が、じつはスレート材自体には防水性はまったくなく、むしろ『雨を吸水しやすい』という性質を持っています(汗)。

このスレート材に防水効果を持たせるための『塗装処理』が重要になってくるのですが、塗装のメンテナンス目安はだいたい10年〜15年、というわけです。

ようは、10年経過すると、壁・窓、そして屋根・・・つまり、家屋のあらゆる箇所が『耐用年数の限界』にさしかかってしまうということです。

ですから、築年数10年を目安に、一気に雨漏りトラブルリスクが跳ね上がるんですね。

築年数の経過によって雨漏りしやすいポイント

『雨漏り = 屋根(天井)から水が入ってくる』というイメージを持つ方が多いのですが、じつは雨漏りは家屋の様々な箇所から起こります。

むしろ、雨漏りがもっとも多い箇所は屋根ではなく『窓』です!

家屋の中でも特に『経年劣化が起きやすく、雨漏りリスクが高い注意ポイント』として、以下の4つが挙げられます。

経年劣化雨漏りが起きやすい4大箇所
  • 取り合い部分
  • 窓(天窓)
  • エアコンのスリープ穴
  • バルコニー

注意ポイント1.取り合い部分

取り合いとは、簡単に言うと『繋ぎ目』のことです。たとえば屋根材同士の繋ぎ目や、屋根と外壁の繋ぎ目など、素材同士が重なり合う箇所を取り合いといいます。

この取り合い部分は家屋にとって『最大の弱点』といえるほど、雨漏りリスクの高い箇所。

そもそも、この取り合いという部分は『違う部材を組み合わせている箇所』ですから、もともと隙間がある場所ですよね。

もちろん水が浸入しないように様々な工夫が施され、普通は『隙間があるから水が入る』なんてことはありません。が・・・経年劣化してしまうと話は別です。

もともと隙間がある箇所なので、経年劣化によるわずかなダメージや破損でも、一気に雨漏りトラブルに繋がってしまいます。

そのため、特に『築年数経過に弱い』箇所と言える部分の代表格となります。

注意ポイント2.窓(天窓)

先ほども少しお話しましたが、じつは屋根以上に雨漏り発生率が高く、むしろ『家屋でもっとも雨漏りしやすい』と言える箇所。

というのも、窓というものは、そもそも『外壁に穴を開けて取り付ける』ものですよね。ですから、やはりここも隙間ができやすい箇所なんですよ。

この隙間を埋めるために使われているものが・・・そう、コーキングです。が、先ほどもお話したように、コーキングの寿命は10年・・・どころか、早ければ5年ほど。

このコーキングが経年劣化で痛んでしまうと、もともとある『窓取り付け部分の隙間』がむき出しになってしまいます。

天窓は、さらに注意が必要!

屋根に取り付けるタイプの『天窓』は、さらに注意が必要です。

というのも、天窓は通常の窓に比べて、より『日光に晒される状態』となりますよね。この日光が、コーキングの劣化をさらに早めることに繋がってしまうんですよ。

ですから、窓の中でも天窓は特に注意が必要なポイントになってきます。

注意ポイント3.エアコンのスリーブ穴

これは、少し意外な、あまり意識したことがない箇所ではないでしょうか?

スリーブ穴とは、エアコンの配管を通している穴のことです。

これも『そもそも、壁に穴を開けて取り付けている』ものですよね。そして、やっぱり隙間を埋めるためにコーキング処理が施されています。

ということは・・・窓と同様、築年数の経過に弱い箇所、ということですね。

窓のように開け閉めなどの動作も発生せず、日光に晒される箇所に設置されているケースも少ないので、窓よりは発生率が下がるのですが・・・それでも、やはり『危険なポイント』に代わりはありません。

また、先ほど少し書いたように『エアコンのスリーブ穴から雨漏り』というイメージ、というか考えを持っている方がそもそも少なく、雨漏りしていることに気づかないパターンも多い厄介な箇所とも言えます。

注意ポイント4.バルコニー

バルコニーは様々な用途のある場所なんですが、じつは隠れた雨漏りの危険地帯。

というのもバルコニーは1年中紫外線や雨風に晒されるだけでなく『人が歩く』『物を置く(ことで擦れる)』といったバルコニー特有の理由も重なり、経年劣化の進みがとても早い箇所なんです。

床はもちろんですが、手すり部分も劣化が激しい箇所になります。

バルコニーがある家屋の場合、特に気をつけるべきポイントの1つとして意識することをオススメします。

経年劣化への備えは『定期的なチェック』しかない!

ここまで説明してきたように、築年数が長ければその分経年劣化が進み、雨漏りのリスクは高まります。

そして、残念ながら、どんな素材を使って家屋を建てたとしても・・・築年数の経過による経年劣化を防ぐ方法はありません。

ということは、経年劣化に対する備えは『定期的なチェックを行い、被害が大きくなる前に事前に察知する』ことしかないんですよね。

家屋のダメージは身体へのダメージと同じ。軽い症状を「まだ大したことないから、大丈夫」と騙し騙しで放置し続けると、どんどんダメージが積み重なっていきますよね。そして、いざ限界が来て治療しようとすると、異様に高額だったり、治療にすごい時間がかかったり、最悪の場合は手遅れだったり・・・。

家屋も、これとまったく同じです。むしろ、家屋のダメージは身体と違って『どんなダメージも、自然に直ることは絶対にない』ことを考えると、身体のダメージより厄介かも知れません。

大切な家屋だからこそ、たとえわずかなダメージでも放置せず、しっかりと対応する。

そのために、定期的なチェックを心がけ、被害が大きくなる前に問題を見つける。

これが、唯一にして『絶対に効果のある』経年劣化への備えとなります!

オマケ:築年数が短い家屋は雨漏りはしない?

「築年数が雨漏りリスクと比例するなら、うちの家はまだ新築だから安心だな!」

と思いたいところですが・・・残念ながら、新築であっても、雨漏りするときは普通にあります(汗)。

なぜなら、雨漏りの原因は『築年数(経年劣化)だけではない』からですね。

確かに経年劣化は雨漏りの原因の大きな1つですが、台風や雪などの自然災害、はたまた施工不良などによる人的被害による雨漏りもあります。

ので、たとえ新築であったとしても、雨漏りのような被害が出ている場合は、しっかりと確認することをオススメしますよ。

雨漏りリスクと築年数の関係:まとめ

では、最後に今回の内容をおさらいしましょう。

雨漏りリスクと築年数の関係は…⬇︎

築年数が長ければ長いほど経年劣化が起きる。よって、築年数と比例して雨漏りリスクは高くなる!

築年数の経過に『弱い』タイプの家屋がある!それは…

築年数の経過に弱い2大家屋タイプ
  • 軒ゼロ住宅
  • 陸屋根の住宅

家屋に使う様々な部品の耐用年数は10年前後が多い。そのため、築年数10年経過を境に、一気に雨漏りリスクが増大する!

築年数の経過で雨漏りしやすくなる注意ポイントは…?

  1. 取り合い部分
  2. 窓(天窓)
  3. エアコンのスリーブ穴
  4. バルコニー

経年劣化に対する『唯一の』備え、それは・・・定期的なチェックと、素早い対応!

どれだけ新しい家屋でも、必ず築年数は増えてえいきます。ですから、今回の内容は、どんな人にとっても他人事ではありません(たとえ賃貸でも、その家屋自体が雨漏りする可能性は同じです(汗))。

そして、どんな家屋であっても、一度発生したダメージは自然に直ることが絶対にありません。

この事実をしっかりと頭に入れて、ぜひ定期的なチェックを心がけるようにしてくださいね。

定期的なチェックと、もしもの時の素早い対応。

この2つをしっかりと行い、あなたの大切な家屋を守ってくださいね!

雨漏りの相談、随時受付中!

「じつは結構築年数が経過してて、もうすでに雨漏りっぽい現象が・・・」

なんてことがあれば、ぜひ私たち雨漏りの匠に気軽にご相談ください。

私たちはこの道25年の雨漏り修理のプロフェッショナルです。

相談はもちろん、実際に現地に赴いて簡易調査を行うこともできます。あ、もちろん現地確認も無料対応ですよ(笑)。

雨漏りにお困りでしたら、いつでもご連絡くださいね!

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